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第19話 ページ21

「この引き戸を開けてもらえませんか?ソウさんじゃ開けられなくて」


「頑張れよ、ソウ。気合が足りねぇだけかもよ」


「もう一回頑張ってみるね」


ソウはカウンターの引き戸の前にしゃがみ、開けようと手をかけた


「・・・えい!」


開かない


「・・・やあ!」


開かない


「・・・開かない!」


頑張れ!


「ハァハァ・・・うぅぅ・・・非力だな・・・ボクじゃとても開けられそうにないよ」


「なるほどねぇ・・・」


「ジンさん、お願いできますか?」


「やってみる」


開けようとしただけで息が上がったソウと入れ替わるように俺はカウンターの下に入った


引き戸に手をかけて開けようとすると少し硬かったが簡単に開いた


中はただ真っ黒な空間が広がっていた


「何かありそうですか?」


「真っ暗で何も見えない・・・せめて明かりがあれば・・・」


といいつつ手を突っ込んでみる。片腕を突っ込んでみるがその範囲にはなにもない


身体を半分ほど引き戸の中に入れたあたりで指先に何かが触れた


手に握って取り出してみる。右手の中には二つのリングと刃のついた銀色の道具


「シガーカッターだこれ」


「葉巻を切って使う道具ですよね。ネットで調べたことがあります」


「こら、未成年は煙草吸ったらだめだぞ」


「す、吸いませんよ!」


引き戸の中にはまだ何かがありそうだ


もう一度身体を入れてみる


今度は大きな箱のようなものだ


片手で引き寄せて取り出す


「ずいぶん大きな箱だね」


ソウは俺が取り出した箱をまじまじと見ている


俺は箱の蓋を開けてみた


中から出てきたのは人間の足だ


「・・・足」


「これも人形のパーツってことでいいのかな」


手に入れたパーツを持って俺たちは酒場を後にした


広場に一旦戻り、別の通路を進む


似た作りだが、今度は通路の中間に赤い自動販売機が置いてあった


中身は飲料ではなく煙草だった。奥に見えるガラス張りの部屋は喫煙所だろうか


「もちろん未成年は買っちゃだめだな。不良にするわけにはいかないからね」


「今時不良でも吸わないと思います」


「そう?でも喫煙はいいことないからね」


俺は赤い自販機を調べた。様々な銘柄の煙草が置いてある。コンビニやスーパーで見たことあるようなカラフルな箱が並んでいる


自動販売機の取り出し口に何かが落ちている。葉巻だ


「高級感があるね」


「葉巻で吸うのはかなりのマニアだよね」

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蓮花(プロフ) - 腐ころさん» コメントありがとうございます。名前は入力してもしなくても作品自体は読めるので気にしていなかったのですが・・・。書いた方がいいですかね、気を付けます。 (2020年2月7日 14時) (レス) id: 7073e93aa0 (このIDを非表示/違反報告)
腐ころ(プロフ) - すみません。おこがましいのですが、名前は固定と書いた方がよろしいのではないでしょうか?ですが物語としてはとても良いので頑張って下さいね!上から目線ですみません(´・ω・`) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 12e607f7fa (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - ツキミさん» ありがとうございます。最初書いていたときはとんでもない奴でしたね。自分でも笑いました (2019年6月5日 15時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
ツキミ(プロフ) - モカを見捨てる主人公ww笑ってしまいました……すみません……。更新頑張ってください!応援してます。 (2019年6月4日 19時) (レス) id: fe6749e978 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青薔薇 | 作成日時:2018年3月9日 14時

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