君と飲む紅茶 【キャシー＆男主】 ページ8
「牛乳は先に常温に戻しておく。ポットとカップは予め温めておく。それで茶葉を入れたら･･･」
Ｂ２の隠し部屋には紅茶の香りがふんわりと漂っていた
「茶葉を長めに蒸らします」
「ふむふむ、どうしてですの？」
「牛乳の風味に紅茶が負けないように濃いめに出すためです。綺麗な茶色になるように牛乳を注いで･･･」
キャシーはヴァルに美味しい紅茶の入れ方を教わりにきていた
「綺麗な色ですわ･･･」
まろやかなミルクの味と紅茶の香りが広がる
こんなに美味しい紅茶は今まで飲んだことがない、とこのビルの住人は口を揃えて言う
ヴァルはあまり誰かのために紅茶を入れることはない
グレイやザック、レイにはよく入れているようだがその他は相当頼み込まない限り飲ませてくれない
今回は数日前キャシーの作ったクッキーをもらったお礼で特別に入れてもらった
「この前のクッキーありがとうね、美味しかったよ」
「あ、あらそうですの？私、意外と料理得意なんですの」
他愛もない会話のはずだが、何となく声が上ずってしまうのは何故だろうか
物腰が柔らかく、何となく品があるという彼に惹かれているのかもしれない
エディから少し聞いたが彼もいい家の生まれらしいから、そういう態度が出ているのかも
「キャシー？どうした？」
「な、なんでもないですわ！」
「ちょっと顔が赤いけど･･･熱でも？」
「大丈夫ですわ！！そろそろおいとましますわ！」
早足でそそくさと外に出ていくキャシーをヴァルは引き留める
「また飲みにおいでよ。待ってるからさ」
「今度はお菓子を作って行きますわ」
Ｂ３に戻ったキャシーはレシピ本をペラペラと見ながらふと思った
「･･･今度何が好きか聞いてみようかしら」
なにこの消し炭 注 【ザック＆男主】→←白い花と、染まる頬 注 【ザック＆男主＋エディ】
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2016年4月6日 13時
