日本代表/五話 ページ6
その後、合宿中の注意事項を説明されてお開きとなった。
指示に従わなかった者は除名。
なかなか厳しい監督だ。
食えない笑みを浮かべる監督の顔を思い出し、なんとも言えない気持ちで自身に与えられた部屋に向かう。
私の他に女子選手が居ないから一人部屋だ。
気が楽。
それに私は色々あるし、ね。
「Aさ〜ん！」
部屋のドアを開けようとした時、女子特有の高い声で呼び止められた。
元気よく手を振りながら小走りで近づいてくるのは大谷つくし、引き摺られるようにして仕方なく走ってくるのが神門杏奈だ。
対象的な二人にどうしたの、と声をかける。
顔合わせを兼ねたミーティングの他には、今日は何も予定されていなかったはずだ。
「夕飯、一緒に食べませんか！？」
私の目の前に来た彼女は、私の手を取りそう言った。
この子達はこのためだけに、わざわざ来たのか。
「夕飯……？ 勿論！」
いきなりの事に多少戸惑ったが、咄嗟にそう答えた私は優秀だと思う。
***
夕飯を食べながら、マネジャーたちと話す。
名前呼びで！ と頼まれたからお互いに名前呼びになった。
予想以上にお転婆というか、元気いっぱいなつくしに疲れさせられる。
杏奈も溜息をついていた。
「……つくしは元気だね」
「あ、うるさかった？」
「ううん、それでいいと思うよ」
"つくしらしくて好きだよ"
なんて、歯の浮くような台詞を並べる。
今日だけで演技が相当上手くなった気がする。
女優でも目指してやろうか。
絶対ならないだろうけど。
「そういうAさんは大人っぽいですよね」
「クールって感じだよね！」
「そう？ あんまり自覚ないなぁ」
だって、演じてるからね。
絶妙な距離感を作るために。
そんな事を言う訳にもいかないので、無難な返事をする。
そんなものですよ、と言う杏奈に相槌をうって味噌汁を喉に流し込んだ。
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虎倉瀬(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです！！！！更新待ってます！！！！！ (2022年10月12日 0時) (
レス) id: 0804d1e466 (このIDを非表示/違反報告)
小雨(プロフ) - 霧野シュウさん» 面白いなんてありがとございます！とても嬉しいです。不定期更新ですが、完結させられるよう精一杯頑張りますね！ (2019年1月15日 21時) (レス) id: e8faf7cb28 (このIDを非表示/違反報告)
霧野シュウ(プロフ) - とても面白いです！更新頑張って下さい！！！ (2019年1月12日 11時) (レス) id: 3f23c4d3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小雨 | 作成日時：2019年1月1日 1時
