episode#1 ページ3
大体の生徒が睡魔に襲われる五時間目の数学の授業。
僕は目の前にある問題を解き終えてぼうっと窓の外を眺めていた。
その隣では低脳な女が二人、頭を悩ませ騒いでいた。
煩いな…どうしてこんな問題もわからないのか。
僕はそっちの方が理解できないなと思いながら、やけに流れの早い雲を肘をついて眺める。
すると、ほんのり煙草の独特な匂いが鼻を掠めた…
その匂いは段々此方に近づき遂に僕のすぐ後ろで止まる。
「おぉ…流石だなぁ山田。もう終わったのか?」
「あ、A先生っ…」
顔を横に向ければ、そのすぐ横にボサボサ頭で眠たそうな瞳をした男が見えた。
稲数A先生…僕の、好きな人。
「しかも全問正解…これ結構ムズいんだぞ?」
「こ、こんなの簡単ですから…」
「ふはっ、天才は言うことが違うねぇ」
「っ…!?」
そう言ってポンッとゴツゴツとした大きな手を頭に置かれたかと思うと、そのままわしゃわしゃと乱暴に撫でられる。
「うりうりっ手が掛からなくて良い子だなぁお前は!」
「や、止めてくださいっ…!」
嘘だ。もっと撫でてほしい…
もっともっと僕を撫でて、誉めてほしい。
でも僕は素直じゃないから反対のことをつい言ってしまう。
それでも先生は僕の頭を乱暴に撫でてくる。
構ってもらえるのが嬉しくて黙ってされるがままになっていると、隣から女の声がした。
「せんせーこれマジで分かんなーい!!」
「教えてよ先生!!」
「はぁ…お前らちょっとは山田を見習えよなぁ」
「あっ…」
先生の手が僕の頭から離れた。
クソッ…低脳女め!
折角先生に撫でて貰っていたのに横からぬけぬけとっ…!!
精一杯の憎しみを込めて隣の女どもを睨み付けるが、先生の話を聞いていて此方に気づかない。
てか顔が近いんだよこのブスッ!!
早くそのケバい顔をA先生から離せよ!!
「あ!そう言うことか!!」
「そうだ、ここの公式を使えばいいんだよ」
「えー!できないんですけどっ!!」
「ばっかお前初歩の計算から違うじゃねーか!というか、この前のテストも赤点だったよなお前…今日の放課後職員室来い」
「えーん先生の鬼畜!!ドS教師!!」
「要領の悪い自分の頭を恨むことだな」
「っ…」
そのやり取りを側で眺める。
A先生は何だかんだ優しいから、何時もこうやって分かるまで教えてくれる。
僕はそれが堪らなく好きであり、嫌だった…
ねぇ先生…
貴方は、手の掛かる子の方が好きなんですか…?
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あかねっこ(プロフ) - ペンギンサンさん» コメありがとうございます!!リポは暫しお待ちを!!あまりにも尊すぎて頭の中パンクしそうなので整理してからお伝えしようと思います!! (2018年11月23日 13時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ナイト(´-ω- ` )))さん» コメありがとうございます!!理鶯ですね了解です!!時間はかかりますが暫しお待ちを!! (2018年11月23日 13時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギンサン(プロフ) - ライビュ羨ましい!もっとリポして下さいよぉ!(誰おま) (2018年11月20日 0時) (レス) id: 9bd14d6626 (このIDを非表示/違反報告)
ナイト(´-ω- ` )))(プロフ) - んんっ(* ̄ii ̄)、こんな小説探してました(*゚∀゚*)ドストライクですね...リクエストいいですか?理鶯が尽くしてくれる系ドMでかなり甘めのお願いします(*゚∀゚*)更新頑張ってくださいね(*´v`) (2018年11月19日 17時) (レス) id: 259822b5cd (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ☆アスカ☆さん» 了解しました!!時間は掛かるかも知れませんが頑張りますね!! (2018年11月10日 8時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかねっこ | 作成日時:2018年11月3日 16時