【ヒプマイ】マイクはきだめ集!!!2nd!!!

episode#3 ページ20

「おいA、血飲ませろや」

「A!先程外で大量のコウモリを見つけて早速調理したのだが、食べてみてくれないだろうか?」

「A、貴方が薦めてくださった本読みましたよ?ところであのシーンの所なんですが…」

「お前らうるせぇんだよ!一編に来んじゃねぇっ!!」


奴等はあの後本当に俺に着いてきやがってあろうことか俺の住むこの教会に住み着きやがった。
迷惑この上ない…
今のように俺を取り囲んで一編に話しかけられるのも相当ストレスだが、もっと問題なのは…


ﾊﾞﾝｯ


「エクソシスト様お助けっ!」


そう言って荒々しく教会の扉を開けると青ざめた顔をした村人が俺にすがり付く。
涙やら鼻水やら服に付きそうで不愉快極まりないが営業時間内なので出来るだけ優しくしてやる。
俺は村人の視線に合わせるために少ししゃがんだ。


「…今日はどうした」

「エクソシスト様ぁぁっ!」

「あ“ぁっ!?」


俺が目線を会わせたとたん腰に抱きついていた村人は俺の胸に飛び込んできた。
すると左馬刻は分かりやすく声を荒げる。
めんどくせぇことになるぞ…


「てめぇなに人の物に気安く抱きついてやがんだ」

「ﾋｨｨｯ!きゅ、吸血鬼っ!?」


そう言って左馬刻は村人の胸ぐらを乱暴に掴む。


「やめろ左馬刻それ以上やったら追い出すぞ」

「っ…チッ!!じゃあ理鶯そのコウモリと一緒に捌いちまえっ!!」

「承知した」

「さ、捌かれるっ…!! 」

「まぁまぁ、捌くまでしなくても摘まみ出す位で許してあげ…」

「お、お助けぇっ…!!」

「さっさと離れやがれこの野郎しょっぴくぞっ!!」

「耳元で叫ぶな銃兎っ!!」


三人の圧力に虫の息な村人。
魂が抜け落ちたみたいに力無く座り込んでいる。


「お前ら…その威嚇攻撃やめろっつってんだろ?病院に連れていくのは俺なんだからな」

「そんなやつほっときゃいいんだよ」

「どの口で言ったんだそれで困るのは俺なんだよ!」

「すまないA…」

「そのすまないは何度めだ理鶯…もう騙されんぞ」

「全く、これだから直ぐに手を挙げる奴は…」

「お前もだ銃兎!毎回最後にそのクソデカ声でとどめ指すのはお前だろ!!」


そう一喝して座り込む村人を横に抱える。
後ろを振り返ると珍しく傷付いた顔をしているようだった。


「…まぁ、誰彼構わず吸血しなくなっただけいいんじゃねーの?」

「「っ…!?」」

「俺の仕事も減ったし、お前らは一生俺の血だけ飲んでればいいんだよ」



そう言って彼らに背を向け病院に足を進めた。

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