episode#2 ページ12
「外に出れるようになったら先生のバトルも見たいんだよねぇ…いつもテレビでしか見れないからさ」
「バトルは危ないから、歩けても遠くからでないと駄目だよ?」
「それくらいわかってるよ、でも格好いいよねラップ…俺ずっとサッカー一筋だからラップ何てやったことないや」
「練習すれば誰だってできるものだよ、君がやりたいなら私も暇なときは練習に付き合おう」
「本当に!?約束だよ!!」
「ああ約束だとも」
「すげぇ…みんなが羨むあのill-DOG直々にラップ教えて貰えるなんて…俺って超運良いね!」
「ふふっ…そうかもしれないね」
こうして彼の年相応の笑顔を見れば私も嬉しくなる。
名残惜しいが時計を見るともう仕事に向かわなくてはならない。
「すまないAくん。もう診察にいかないと」
「あ、そうなんだ先生頑張ってね!!」
「ふふっ、それでは失礼するよ」
そう言って立ち上がり、彼の病室を去ろうと歩き出す。
すると後ろから彼が思い立ったように声をあげる。
「あ、先生忘れ物!」
「え…」
ちょいちょいっと手招きして私を呼ぶAくん。
素直にそれに従えばいきなり白衣を引っ張られる。
Aくんの顔が、すぐ側にある…
「ちょっ、Aくんどうし…」
「んっ…」
「っ…!?」
一瞬のことで何が起こったのか理解できなかったがどうやらそのままAくんにキスされたようだ。
ほんの一瞬、触れるだけのキス。
「Aくん…」
「ごめんね先生!!でも、今日は凄く頑張ったからご褒美が欲しくて…じゃあお仕事頑張ってね!!」
「っ…わかった」
そう言ってAくんは両手を振り私を見送る。
それを見ながら彼の病室から出た私は、病室の扉を閉めると人目がないことをいいことにズルズルと壁を背に崩れ落ちる。
そして、大きなため息をひとつ吐いて、
「まったく…Aくんには敵わないな…」
今の私の顔はきっと、見るに耐えないことになっているのだろう。
診察時間も近いというのに、この顔の熱を冷まさなければ戻れないではないか…
その事を考えると、再びため息が込み上げてきた。
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あかねっこ(プロフ) - ペンギンサンさん» コメありがとうございます!!リポは暫しお待ちを!!あまりにも尊すぎて頭の中パンクしそうなので整理してからお伝えしようと思います!! (2018年11月23日 13時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ナイト(´-ω- ` )))さん» コメありがとうございます!!理鶯ですね了解です!!時間はかかりますが暫しお待ちを!! (2018年11月23日 13時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギンサン(プロフ) - ライビュ羨ましい!もっとリポして下さいよぉ!(誰おま) (2018年11月20日 0時) (レス) id: 9bd14d6626 (このIDを非表示/違反報告)
ナイト(´-ω- ` )))(プロフ) - んんっ(* ̄ii ̄)、こんな小説探してました(*゚∀゚*)ドストライクですね...リクエストいいですか?理鶯が尽くしてくれる系ドMでかなり甘めのお願いします(*゚∀゚*)更新頑張ってくださいね(*´v`) (2018年11月19日 17時) (レス) id: 259822b5cd (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ☆アスカ☆さん» 了解しました!!時間は掛かるかも知れませんが頑張りますね!! (2018年11月10日 8時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかねっこ | 作成日時:2018年11月3日 16時