風邪を引いてしまった。 ページ20
ピピッ
「38.6℃…何か言うことは?」
「スイマセンでした」
あぁ、あんなに優しい翠くんが今は悪魔のような微笑みを俺に向けてくる。
頭よりも心が痛いよ翠くんっ!!
「はぁ、今日は会社休んで安静にしていてください…」
「は、はい…」
そう言って翠くんは部屋から出ていった。
ここまで読んだら伝わると思うが、俺は熱を出した。
でもね?ちゃんとした理由があるんだよこれには…
―――昨日
俺は昨日、雨でびしょ濡れになって帰ってきた。
「た、ただいま…さむっ」
「お、お帰りなさ…って!!どうしたんスかっ!?」
そう言いながら急いでタオルを持ってきてくれる翠くんはとても優秀である。
「傘持っていきましたよね?何でこんなに濡れて…」
「あぁ、それがね…」
その日の帰り、確かに俺は傘を持っていた。
さぁ帰ろうと傘を指そうとした時だ。
「ど、どうしよう…傘忘れちゃった…」
俺の後輩がどうやら傘を忘れたようだった。
タクシーでも呼ぼうかと提案したが持ち合わせのお金がないのでそれは無理らしい。
女の子だし、風邪を引いたら大変だからと傘を貸してあげようとしたら…
「俺の傘使っていきなよ」
「えっ?でも…それじゃあ不二咲さんの傘が…」
「あ、あ〜…もう一本持ってるから大丈夫!」
「…嘘ですね?」
「ぎくっ…」←
「口で言ってる…兎も角駄目です!私は止むまで待ちますから…」
「…一緒に入る?」
「へっ?」
とまぁこんな流れで一緒に入ったはいいんだけど、その子が濡れちゃダメだって思って…
気づいたときには自分自身の体が半分以上入ってなかった。
「だから濡れて帰りました、と?へぇ―…」
「う、うん…翠くん?なんか怖…」
「後は自分で拭いてください」
「わっぷ!!み、翠くん?何か怒ってる?」
「…別に怒ってないですけど」
「ご、ごめん!!なんかしたんだよね?」
俺の方に背を向けているから、その表情は見えない。
「…Aさんは優しすぎるんです…」
「う、うーん…そうかな?」
「はい」
即答かよ翠くん…
うーん…自分では自覚ないや…
「自分が風邪引いちゃったらどうするんスか…」
そう静かに言う翠くん。
その声は何だか悲しそうだった。
あぁ、心配してくれたのか…
「大丈夫!!俺体だけは丈夫だから!!」
「…」
俺は心配させまいと大きな声で言い放つ。
その時の翠くんのジト目と言ったら…(泣)
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あかねっこ(プロフ) - 仁科一家さん» こういう設定がら、地雷な人多いだろうなぁと思って執筆していたのでそう言っていただけると嬉しいです!更新頑張ります!! (2018年6月3日 14時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
仁科一家(プロフ) - 普段占ツクのBLってほぼ地雷寄りなんですけど、この作品は本当に好きです。素晴らしい作品ありがとうございます! (2018年6月3日 10時) (レス) id: dec30a2f4d (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - 琥珀さん» そうなんですよ…流星隊Pを殺しにかかってますね運営は…←更新頑張ります!! (2018年5月19日 23時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - この作品楽しく読んでます!つらいですよね…クラス別スカウトAnd流星隊のイベ...これからも更新頑張ってください! (2018年5月19日 21時) (レス) id: 5e61c82747 (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - 夜闇の魔物さん» ありがとうございます!!相変わらず亀さん更新で申し訳ないのですが頑張ります!! (2018年5月19日 20時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかねっこ | 作成日時:2017年12月26日 19時