あの娘の前では嘘をつかない【夢野幻太郎】

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「おや、」


『あれ…夢野さん？どうしてシンジュクにいるんですか？』


「いえ…こちらで少し用事があったもので」




今帰りですか、と聞いてくる夢野さん。

夢野さんはどうやら作家さんらしい



服装が服装なのでちょっと見えないケド…話してみると語彙力が半端ない。
作家って感じがするんだよね





『思ったより遅くなりましたが…今帰りですよ、はい』


「はぁ前会った時より随分と隈が酷くなりましたね。ちゃんと寝てますか？」


『あはは…これでも寝てるんですが眠りがどうもあさくて』


「しかも、今は朝ですよね？日曜の」


『きっ昨日終電逃しちゃって…カプセルホテルに泊まったんですよ』




仕方ない…ウチの会社はいわゆるブラック企業…上司共がクソなのだ。


定時に帰れない



しかも飲み会が普通の会社より多い、財布の中身がどんどん消える始末。



「あなたの様な人、見たことありますがやはり隈が酷く精神的にも食らってる…」


『あはは…もしかして心配してますか？』


「はい、小生は素直なので」


『いつものお得意の嘘ですよね〜…』



この人は息を吐く様に嘘をつく。
まあそれが面白いんだけど




『取り敢えず、今日はそろそろヤバいので帰ります』

「あっはい…気をつけて……」








⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰





夢主のイメ画です。
本当は目を茶色にしたかったんですが…

正直、イメージはお任せしたいので…あくまで参考に

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