Phase.01《3》 ページ5
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「……詳しいな」
太宰の台詞の途中でそう云うと、太宰は少し顔を歪めた。
遮ぎられた事が気に入らないのだろう。
歪めた顔を束の間。
直ぐに次の台詞に移っていった。
「昔勧誘されたんだよ。断ったけどね」
「良い判断だ。組織の手前みたいなのが居たら蹴り殺しちまう」
「君にできるとは思わないね」
原作とは少し違う台詞には驚く。
"変えてしまっている"……。其の事実が怖いからだ。
……そして、目の前が居るのがキャラクターではないと、判らせられるから。
「……人が来たか」
「驚いた。気付いてないのかと思ったよ」
太宰から離れ、私は此方に向かっている"広津柳浪"に目をやる。
他にも多数のマフィアがいる。
異能は私と相性が悪い。
先ず、マフィアとなんか戦いたくない。
そう思っていても、私に銃が向けられるのは変わらないのだ。
「投降せよ。其れとも、自分の内臓の色を知りたいか？」
「悪いな。幾ら凄まれても怖くねぇ。
其れにな、俺にも俺の事情があるんだ。退くわけにはいかねぇ」
「……成程。
では警告の時間は終わりだ。次は後悔の時間だ。今退かなかった事を後悔するが良い」
広津さんは私に冷たい目を向けて、一歩寄る。
反射的に下がりそうだが、其れが行動になることはない。
「異能力者……。良いね。今日は楽しめそうだ」
「……広津さん、戦うのは止すべきだ」
太宰は痛みに顔を歪ませることなく、寧ろ何か楽しそうにそう云った。
「此奴は触れた相手の重力を操る。貴方の異能力とでは相性が悪い」
「成程。重力か………。
では公平として、私の異能力も教えよう。私の異能力は、触れたモノに強い斥力を発生させる。」
「随分なフェアプレイ精神だな。俺は年寄りを敬うなんて気はねぇぜ」
「不要な事」
広津さんは手袋を無造作に脱ぎ捨てる。
其れが戦闘の始まりの合図。
広津さんは私の間合いに入り、私の襟首を左手で強く引く。
私は逆らわず、だが地面を蹴る。体を半回転させ、広津さんの右手をかわした。
私は空中で水平けりを放つと、広津さんの右手が蹴りを迎え撃った。
重力と斥力の衝突。閃光が放たれた。
「流石……。だがどうにも乗らねぇ。俺の異能とじゃ相性が悪すぎたな」
私は触れた物の重力を操る。
広津さんは右手で触れた物の接触面と逆の力を与える。
上と下がハッキリしてしている。
其れでも堂々としている広津さんに、憧れる―――
……いいや、殺しの才能なんて欲しくないか。
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眠いちゃん - lokilokiさん» 全然大丈夫です〜！ 寧ろありがとうございます！ (1月20日 14時) (
レス) id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月25日 23時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠いちゃん | 作成日時：2023年11月4日 21時
