Prologue ページ2
始まりの日を思い出させるような、くっきりと青い空に、小型の軽旅客機が浮いていた。
其処に乗っているのは男一人。
汗はかいているし、顔も青白い。
銃を握って、細かく震えていた。
此れで本当に始まってしまう。
恐れながらも、私は軽旅客機の羽に立ち、コンコンと、ノックをする。
男は私を捉え、こう叫んだ。
「ッ……《羊の王》！」
叫んだより、悲鳴に近かった。
そんな彼―――マフィアを無視し、私は窓を蹴り砕く。
マフィアは、暴風が起こっているのにも関わらず、私から逃げるのを優先した。
床を這ってもがくマフィアの背中を、私は無慈悲にも踏みつける。
「仮にもポートマフィアの銃運びが、こんくらいでビビるんじゃねぇよ」
出来るだけ楽しげな声を出す。そんな私の視界の端で赭色の髪が揺れている。
私は手近の椅子を素手でもぎ取り、私が蹴り砕いた窓へ投げる。
そうすると、幾らか暴風は収まった。
「っ……許してくれ！」
「お前達の……《羊》の縄張りを荒らした事は謝る！ 仕方がなかった！」
「仕方なかっただろうよ。ポートマフィアのクソ野郎ともあろう者達が、知らねぇ筈がねぇモンな。
俺達《羊》を攻撃した奴は、必ず百倍の報復を喰らう。
……心配すんなよ、手前以外の襲撃班は全員殺した。安心して仲間の処に行きな」
薬で変えた、私の男の声にはもう慣れて、すらすらと用意された台詞を云える。
男はこんな状況でも反撃を考え、銃に手を伸ばそうとするが、其れは未遂に終わった。
骨が軋み、床に押し付けられているから。
そして其れは、私の異能力のせいだ。
「いいな。流石はポートマフィアだ」
「俺の重力を喰らった状態で反撃を考えるなんて……。
……いいだろう、やってみろ。だが、その前にひとつ答えな。何故俺達の縄張りを襲った？」
愉快そうな声、真剣な声。色々な感情を込め話す。
「襲いたかった、訳では……ない…！」
「やむを得なかったんだ……俺の担当の保管武器庫を、破壊されたから……あの厄災の神に。
地獄から蘇った……《荒覇吐》に……！」
「……《荒覇吐》？」
私が意図的に重力を弱めると、男は素早い動作で銃を私に向ける。
私が挑発する前に、男は私に銃を撃った。
「死ね……《羊の王》、―――中原中也！」
私は体を半回転させ、銃弾を蹴る。
そうすると、男の喉に当たり、男は絶命した。
息を吸い、私は云う。
「ポートマフィアは、全員俺がぶっ殺す」
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眠いちゃん - lokilokiさん» 全然大丈夫です〜！ 寧ろありがとうございます！ (1月20日 14時) (
レス) id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月25日 23時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠いちゃん | 作成日時：2023年11月4日 21時
