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第6Q 朝ご飯 ページ8

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そうして簡単に朝ご飯を作り、テーブルに二人分並べる。


ベーコンエッグにサラダ、


ご飯と味噌汁というごくありきたりなメニューながら赤司は淡々(たんたん)と食べていた。




「ねぇ、……おいしかった?」




食べ終わった赤司にそう訊ねれば、当たり前だといった風にこくりと頷く。




「ふーん、……王子様ならもっと舌が()えてるんだと思ってた」




何気なくそう言うと赤司は窓の外に視線を送る。


やけにきらめかしい外の風景を眺めながら、テーブルに頬杖をつくと。




「……ひとりで食べる食事ほど不味いものはない」




ぽつりとそうつぶやくのだった。


部屋の空気に溶けて消えた声が、言葉が寂しげで、私はそれ以上追及できなくて。




「…………顔、洗ったら出かけよう。買い物行かなくちゃだから」




それだけ言って私は赤司に洗面台に向かうよう(うなが)す。


最初は素直に立ち上がった赤司だったのに、


何かに気づくと昨夜とは反対に私を見下ろし威圧感たっぷりに言葉を吐きだした。




「――なんだい?……キミ、まさか僕を連れ回すつもりか?」

「だって赤司、アンタの分の着替えも買わなきゃなんないのよ?」




負けじと精一杯にらみつけて返すと、しばしにらみ合いが続く。



……王子様だろうが吸血鬼だろうが、


ここにいる間は私の言うことを聞いてもらわなきゃ割に合わない!



そう思った私は、赤司に詰め寄る。




「――アンタねぇ、か、仮にも私を……よ、嫁にするんだってんなら! だったらまずは、私のことを知ろうとするべきじゃないの……、……!?」




……何言っちゃってんだ、と思ってももう遅い。



赤司も私も無言のまま、ぴちちと鳴く(すずめ)の声が窓の外から聞こえるばかり。


無性に恥ずかしくなってきて私が顔を(そむ)けると。




「……朝から騒がしい女だな」




頭上からそう述べる声にますます顔が赤くなっていく。




「う、うるさい……っ」




嫁に、だなんて。


まさか本気でそうするつもりなんかないはずだ、


と思っていたくせにこうやって引き合いに出す自分が恥ずかしい。


……そんなもの、交渉の切り札になるはずがないはずなんだ。









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ゆあ - すごくキュンキュンしました! ヤバイですね! これからも頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています! 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ!はい!続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます! これからも更新も含めて頑張らせていただきます!! (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます! そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります!(*`・ω・´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍沢鳴 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月9日 0時

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