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第39Q 届いた招待状 ページ41

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(……ん?)




あれからどれほどの時間が経ったのだろうか。


ふいに集中力が切れ、窓の外を見ればとっくに夕日が沈みきっていた。




「……夜、か」




そうつぶやいて思い出すのはAのこと。



……今日はバイトの日だっただろうか。


ひとりで無事に帰れるだろうか。




 




「重症だな……」




そんなに心配なら迎えに行けばいい。


こんなことを考えているとテツヤに知られたらきっとこう言われてしまう。




(……少し休もう)




そう思い、立ち上がろうとため息をついた次の瞬間部屋のドアがガチャリと音を立てる。


顔をのぞかせたのはやはりテツヤで。




「夜食を持ってきました。……あと、先ほどこちらが届きまして」




そう言いながら夜食をテーブルに乗せ、その横に一通の封筒を並べる。



僕がそれを手に取り封を切ると、中からほんのりと甘い香りが漏れた。


それに思わず眉をひそめ、


とりあえずはと封筒の中に納められていた一枚のポストカードを取り出し、目を通す。




「……若狭殿からだ」




思わずそうつぶやいたのをテツヤが聞き逃すわけもなくこちらに寄ってくる。


僕の肩越しで内容に目を通すと、さも厄介事のように息を吐いた。




「晩餐会、とはずいぶん盛大な建前ですね。……若狭殿からの誘いとなると断れない。また厄介ですね」

「そうだな……」




僕はそう返事をしそのポストカード、改め招待状を眺めた。



若狭殿、とは。



僕の従兄にあたり、僕が生まれるまでは王位継承権第一位の位にいて。


そのせいか僕に対する敵対心は並々ならぬものがあり、


今までに様々な“攻撃”をされていたんだが、


ここ数年はそれがぱったりと止んでいたため顔を合わせることもなくなっていた。



それが、何故今。




「……面倒だな」




夜食に手をつけながらそう漏らすと、テツヤは苦笑いを浮かべて頷く。




「そうは言われましても無碍(むげ)にも出来ませんからね。……いずれにしてもヴァンパイアの次の王、王子は赤司君のみですから。領民もみなそれを願っております」

「それはもちろんだ。……若狭殿のしたことは今でも許されるものではないからな」




 




――数十年前のことだ。




 




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ゆあ - すごくキュンキュンしました! ヤバイですね! これからも頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています! 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ!はい!続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます! これからも更新も含めて頑張らせていただきます!! (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます! そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります!(*`・ω・´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍沢鳴 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月9日 0時

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