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第24Q 変わってしまった ページ26

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私がそう声を上げると、赤司はこちらを振り返ってこう言った。




「無様に床に寝転がっていたからね。夜中に目を覚ました僕が仕方なく拾い上げてやったんだ」

「……その分だと風邪は治ったみたいねぇ、ってなんで小さいままなの?」




私がそう訊ねれば、赤司は身体ごとこちらに向き直り腕を組みながら答える。




「何度やっても元に戻らなかった」




――曰く、私をベッドに運んでからいつもの習慣で小さくなり、そのままもう一度眠って。




起きてから何度元に戻ろうとしても戻らなかった、とのこと。



具合は良くなったようでまずは安心したけれど、


さらにまた厄介なことになったなぁと私は苦笑いを浮かべたのだった。




 




 




 




そうして、赤司が元のサイズに戻れないまま3日が過ぎようとしていた。




「――A、空になってしまった。新しいものを買ってきてくれないか?」




そう言って小人サイズの赤司は空になった眠気覚まし用のタブレット菓子のケースを軽く叩く。


風邪を引いて以来赤司は偶然私のバッグに入れていたこれを見つけ、


暇さえあればその辛みの強い粒を口に含んでいるようになった。



さらに、身体が小さいとはいえ以前よりもずいぶん食が細くなったようで、


顔色もそこまでいいとはいえなかったのだ。




「……赤司」

「なんだい? 早く行っておいで」




私が呼んでもそう言ってそっぽを向くだけの赤司。



……赤司は、私と目を合わせなくなった。


何か、したんだろうか。



……そう考えてみてもまったく身に覚えがない。


身に覚えがないからこそ謝りようも反省しようもなくて、


ただ漠然(ばくぜん)と心にもやがかかったよう気持ちになる。




「ねぇ赤司」

「……さっきからなんだい。早く行けと言っているだろう」




いつもの偉そうな口調より刺々(とげとげ)しいその声。



……そんなんじゃ、“どうしたの?”とも“怒ってるの?”とも聞けないよ。




「……ううん。行ってくるね」




ここ数日でずいぶん臆病になってしまった私は、


いつもと違う赤司の様子にもうそれしか言えなかった。



そうして、力なく立ち上がり玄関をくぐっていく私のうしろ姿を、


赤司が何か言いたげに見ていたなんて、私にはわからなかった。




 




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第25Q 苦しくて→←第23Q 楽園の終わり



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ゆあ - すごくキュンキュンしました! ヤバイですね! これからも頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています! 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ!はい!続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます! これからも更新も含めて頑張らせていただきます!! (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます! そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります!(*`・ω・´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍沢鳴 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月9日 0時

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