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第18Q 原因不明の原因まで ページ20

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……絶対零度ってこういうことか、と実感できるような空気を(まと)いながら赤司は続けた。




「僕はあの女を待っていたんだ。君達になどひとかけらほどの興味もない、好きにどこへでも行ってくれ」




次の瞬間、赤司は自分の周りを囲む女の子たちの手を払い私に近づいてきた。


そのまま私の腰に腕を回し耳元に唇を寄せたかと思うと、


『しばらく我慢しろ』とだけ(ささや)いて。




「文句があるなら鏡を見てからにするんだな。……そして、僕に二度と話しかけるな」




そう吐き捨てると、赤司は私の腰を抱いたまま歩き出す。


ちらりと見えた女の子達はまさに顔面蒼白、真っ青になって呆然としていて。



……この威圧感が吸血鬼(ヴァンパイア)由来のものだとしたら、


はっきり言ってあの子達には(こく)だと思った。


少しだけ慣れてるとはいえ、私だって少し怖いと思っているんだから。




 




そんなこんなで大学を出た私たちは駅までの道のりを進んでいた。




「ねぇ。いい加減離してよ」




相変わらず腰に回された腕のせいで少し歩きづらい。


だからそう言ったのに、赤司はなぜか眉間にしわを寄せて。




「断る」

「なんでよ。……アンタは慣れてるかもしれないけど私は注目なんて滅多にされないんだっての」




ため息混じりでそう返すと、


頭上からは何回か口を開いては閉じるを繰り返す赤司の息づかいだけが伝わってきた。




「……Aに触れていると不快感が(やわ)らぐんだ」




――小さな声で確かにそう言った赤司。




それを聞いてまた鼓動が速まっていく私。




原因不明のこの雰囲気の、原因がわかるのはもう少しあとの、話。









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ゆあ - すごくキュンキュンしました! ヤバイですね! これからも頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています! 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ!はい!続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます! これからも更新も含めて頑張らせていただきます!! (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます! そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります!(*`・ω・´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍沢鳴 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月9日 0時

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