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Nside
「わぁ、和！見て見て！くらげ！」
はぁ〜かわいい
くらげでそんなにはしゃぐなんて、かわいすぎかよ
「あっ！この魚はね食べたらおいしいんだよ！」
「そうなんだぁ。翔ちゃんって詳しいの？」
「ううん、先生に教えてもらったんだっ」
“ 先生 ”
その単語を聞いただけで、自分の中の黒いドロドロした部分が出てきたのがわかった
「大野さんに？」
「うん！」
そっか…そう、なんだ…
何、不安になってんだろ
俺は翔ちゃんと付き合ってて、翔ちゃんからも好きって言ってもらったのに。
「かず？」
「ん？ごめん、ぼーっとしてた。」
「ふふ、変なの〜。」
「ごめんって、次、どこ行く？」
違う水槽に移動して、じっと見つめる翔ちゃん。
でも、その表情はどこか切なくて、
また、俺の中で黒いものが渦巻く。
翔ちゃんのことを少し後ろで見ていた時
「よっ」
「おーのさん…なんでいるんすか。」
仕事じゃねーじゃん
しかも、俺とおそらく翔ちゃんが気にしてる人物登場だし
「ん？仕事終わったからねぇ。」
来ちゃった
ってふにゃふにゃ笑う
すると、急に真顔になって、
「あのさ…」
少しの沈黙の後、
大野さんがゆっくりと口を開いた。
.
「２人、付き合ってんの？」
.
ああ、なんだよ
気付いてたんだ
「…うん。まぁ…な」
「早く言えや(笑)
あーあ、俺のしょーちゃん。」
やめろよ
あんたまでそんな顔すんなよ
悲しい、切ない顔
その表情が、そこから伝わってきたものが、翔ちゃんと重なったのは、きっと…
俺の考えすぎ
「翔くーん、会いたかったぁ〜」
いつもの様にベタベタ翔ちゃんに絡んでいく大野さんを見て胸が傷んだ。
.
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作者名：aki | 作成日時：2015年3月25日 16時
