コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─6

171. Aizawa ページ14

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俺は雪村と穿頭の処置を進めていた。







「──剥離子(はくりし)くれ」

「はい。……すいません、ちょっと待ってください！」






雪村に手を出すが、聞こえるのは雪村の焦る声。







その瞬間──誰かの走る音が聞こえてきて、目の前に来たのは素早く剥離子を差し出す冴島だった。









「──剥離子です。開創器(かいそうき)は使いますか？」

「頼む」

「ドリルいくぞ」

「はい」

「角錐(かくすい)」

「はい。頭部を保持します」









冴島の正確で迅速な対応に、雪村は圧倒されていた。








「──ちょっと！頭に穴開けてんの！？」

「必要な処置ですから。それに、藍沢先生は経験も豊富です」








患者の処置を進めていると、Aから無線が来た。








「──耕作？倉庫内に負傷者もう1名発見した。…かなり出血してる」

「どれくらいだ」

「…2000ccは出てると思う。右下腿(みぎかたい)が酷く変形してて、血管損傷を疑ってる。…輸液はあと2本だけ」

「…もって10分だな…」

「…私が診てるけど、一応白石たちの方に灰谷のモニター繋げるように頼んでくれる？」









白石たちに初療室のモニターを見るように頼んでまた患者に向き直った。









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