094. Shiraishi ページ25
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Aと一緒に乗り込んだエレベーター。
空気が沈んでいて、Aはエレベーターの壁に寄りかかって俯いていた。
「…──新海先生から聞いた」
「…」
「天野奏さん、やっぱり手術はしたくないって──…」
「…」
Aは何も言わないまま、こっちに顔は見せてくれない。
「…難しい選択だよね」
「……あの子が、ピアニストじゃなかったら──きっとこんなに…悩まない」
「…」
「……救いたいって、思うのに──救う選択が、あの子を殺しちゃうかもしれない」
弱々しくそう言って、エレベーターから降りるA。
こんな雰囲気じゃなかったら、Aがそんなこと言うなんて珍しいね、なんて言ってたけど、とても言える雰囲気ではなくて…
華奢な背中を向けたAは──
深い深い、哀しみに潰されそうな瞳の色をしていた。
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萌娜(プロフ) - 杏さん» ありがとうございます(*^^*)とても嬉しいお言葉であります(><) (2017年10月29日 18時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 最近こちらに巡りあいまして楽しく読ませて頂いてます!更新楽しみにしてますね! (2017年10月28日 11時) (レス) id: ce7544d8fb (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - あやさん» ありがとうございます(><)感激です(><)これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年10月28日 10時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 面白いです!頑張って下さい! (2017年10月27日 17時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年10月23日 15時