じゅうにこの愛 ページ14
舞踏会当日
ついにその日になってしまった…
今の僕は黒のピンヒールと赤のシンプルなドレスに、黒色のウィッグとやらを被っている。
胸はあれだ…タオル詰めてる。
こんな…
2回目とはいえ男の尊厳失うよ…
「え、女性陣凄いな。ヒールってこんな歩くの難しいの?」
もう産まれたての子鹿みたいになってるんだけど
取り敢えず壁伝いながら歩くしか…
ガチャ
うおッ!吃驚した…
春「Aさん!着替え終わったんですね!ヒールはどうですか??」
「どうもこうも、歩くので精一杯だよ」
春「だと思います…良ければお手伝いしましょうか?」
「是非そうしてもらいたい」
それから暫くは春野さんがピンヒールを履いた状態での歩き方を教えてくれた。
踵から下ろすと歩き方が汚く見え、尚且つヒールが折れやすくなるらしい。
できる限り、つま先から、そして外向きに歩くように…
「…」
太「おお!似合ってるじゃないか!Aくん!」
「そうだなお前もそのスーツ似合ってるぞ…」
もういいや。諦めよう。
これは仕事。仕事だから仕方ない
敦「Aさん!とてもその…お似合いですよ!」
谷「うんうん!似合ってる!」
お前らはどちらの意味で言ってる???
もしこれが太宰と僕がお似合いってことだったら
殺 すからな
ナ「そんな怖い顔しないでAさん?綺麗なお顔が台無しですわよ?」
鏡「そう…Aさんは笑顔が素敵だから…」
与「そうそう。ほら、さっさと行きな!」
春「Aさん!とても歩き方が綺麗なので自信もって下さい!」
女性陣は褒めてくれて(?)ると思うんだけど、なんだろ。
虚しくなってきた…
でも、のんびりもしていられない。
行くか。
太/貴「行ってくるよ/行ってきます」
ガチャリ
no-side
「なぁ…太宰」
太「ん〜?なんだい?」
舞踏会まで連れてってくれるらしい車(社長の手配なので安心)に乗りながら、隣で本を読んでいる太宰に問う。
大方、不安なのだろう。
いくら2回目とはいえ、男。もしバレたりなどしたら全ての計画が水の泡だ
ましてや1人での任務ではない。
太「大丈夫だ。十分似合ってるし、なんなら今は理性と戦ってるくらいさ。」
「それ安心できなくね…」
✂- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
すみません。鏡花ちゃんの入社試験が終わったあたりからの世界線になります。すみません!!!
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作者名:朱猫 | 作成日時:2018年9月9日 20時