勿忘草 (ページ10)

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9話ページ10

不「しゃちょ〜。連れてきたで」

加「不破さん。ありがとうございます。じゃあ甲斐田さん。お願いします」

甲「分かりました。まず、Aさんは皆さん知っての通り記憶喪失です。普通なら記憶は戻るはずなのですが…Aさんの場合だと、記憶が戻らない可能性が非常に高いです。なので……」

不「姫…の…記憶が……戻らない、…？甲斐田…嘘やろ…？それ……」

甲「不破さん…残念ながら本当です。僕もある程度調べたんですが…」

不「嘘やろ…じゃあ俺らとの記憶は全部無くなるってこと…？」

甲「…そう、ですね……」

加「想定してはいましたが…結構…」

剣「……」

私はこの状況から分かったことがある。

それは、私とこの人たちは昔仲間で、何かが原因で私が記憶喪失になり、行方不明になったということ。

私は別に嫌だなんて思ってなかった。むしろ安心した。

最初会った時から、懐かしい感じがあり、どこか安心して気を許していた所があったから…

『あの、深刻そうなところすみません。ある程度の事情は分かりました。私はこの国から逃げ出そうなんてもう考えてないですよ。確かに昔の記憶は無いかもしれないけど、今から新しい記憶をみんなで作っていけばいいの私は思います。』

私は自分が今いった事を思い出してみた
…あれ、私でしゃばりすぎじゃない…？

剣「確かにそうですね。消えた過去は戻らない。だけどその分今思いっきり楽しめばいいですし。」

加「剣持さんとAさんの言う通りですね。というか甲斐田さん…戻らない可能性が高いということは戻る可能性があるかもということでしょうか…？」

甲「はい…ですが余程の奇跡がないと記憶は戻らないかと…」

不「…なら俺らでその奇跡を起こせばいいんちゃう？？」

加「なるほど…そうですよ不破さん！！！その手がありました！！」

剣「確率はすごく低いけど、やってみる価値はありそうですね。」

甲「珍しく剣持さんが乗り気だ…」

剣「うるさいぞそこ！！僕はAさんの記憶が戻った方がみんなにとっていいかなと思って…！！！」

甲「はいはい。とりあえず僕らでAさんの記憶を戻すですね…かなり厳しいかもしれませんがやる価値は十分にあります。やってみましょう！！」

不「戻る可能性あるって考えたらやる気出てきた！！」

『あの…話についていけないんですが…』

加「まぁまぁ。貴女はこの国で過ごせばいい。ただそれだけの事ですよ。」

『はあ…とりあえずよろしくです』