元天才リベロは烏野のマネージャー 6

264.2m ページ21

Aside


谷地「にっ…2m…」

A「百沢さんですか！？どうでした！？」

森「…プレー自体は初心者レベルなんだよ…ただブロックがなぁ…」

吉岡「…全てキルブロック…どんなにいいスパイク打っても2mの壁にぶち当たる…」

森「あっ…ほら、ココとか…」


ビデオを巻き戻してくれたので仁花ちゃんと一緒に見る…


『ナイス！！

レフトレフト！！

ズドンッ…』


谷地「うっ…」

A「…さすが2mって感じですね」


レフトに上手くあったセッターのトス…

このレフトの人はパワー型の2年…

いつもなら決まってた…

ズドンッ…

2mの壁…

2mのキルブロック…

百沢さんは遅れて飛んでも追いつくのだ…


吉岡「…スーパールーキーだな」

森「…これが次の相手かぁ」

A「…正直ヤバいっすね」


はぁ…


谷地「…で、でも！！烏野は飛べますっ！」


仁花ちゃんに言われてハッとする…

私…

今…

…何考えてた？

…負けること？

…勝手に負けを決めて諦めてなかったか？

…また逃げようとしてたのか？

『気持ちで負けるな』

あの日掲げられてた応援幕の中にそう書かれてた…

気持ちで負けるな…

…私はまた逃げようとしたのか？

『Aのせいだよなぁー！』

『なんなの、アイツ…』

『せっかくの全国だったのによ！！』

『自己中』

また私のせいで…


森「おい！A！」

A「…えっ」

吉岡「大丈夫か？ぼーっとして…」

A「あっ、いや…」


森さんと吉岡さんが心配して声をかけてくれる…

これは自分への罰…

一生かけてみんなに償わなきゃいけないこと…


谷地「あっ！Aちゃん！みんなに伝えに行かないと！」

A「あっ、うん…失礼します」


みんなに一礼して下へ急ごうとする…


烏養(監)「…Aよ…無理はいかんぞ…」


これは烏養監督からの忠告だ…

監督のお家にお伺いした時にも何度も言われた…


A「はい」


しっかりと頷く…

もう二度と逃げないと決めたんだから…


谷地「行こ！」

A「…うん」


もう、二度とみんなを傷つけないって決めたんだから…

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