幸せは難しい ページ13
_龍友side
彼女が僕に"出会った時と変わらない関係でいてください"そう告げてからやく、2週間。
少しの暑さと肌寒さを感じる10月を迎えた。
ある雑誌の取材。
記者のとある質問がとても胸に刺さった。
僕は淡々と答えたけど、玲於は泣いていた。
玲於お前はちゃんと愛されとるんやから、泣く必要なんてあらへんやろ。
好きな人と一緒にいられるんやから。
玲於が出ていった部屋はしんと静まり返っていた。
「すみません、」
亜嵐くんが記者に謝罪をいれた。
「僕、ちょっと行ってくるわ」
僕には玲於を追いかけることしか出来なかった。
あの場にいたら、僕は玲於のように泣いてしまいそうだったから。
.
「龍友くん、幸せって難しいね」
「そうか?」
ふと玲於が言った。
「難しいよ。誰かが守らなくちゃいけなくて、守ってる人は傷つかなきゃいけない。」
その言葉は僕の行動を見透かしているようで、
少し身を縮めた。
.
萌が最近変だ。
なにか忙しそうに、僕に隠し事しているような。
「萌、最近どうしたん?」
「ん?どうもしてないよ!!ちょっと忙しいだけ!!」
そっか。と頷いた僕に、今萌がしていることを知る由はなかった。
.
『数原さん!!!』
え、なんで、Aちゃんが...
そんな笑顔で僕のそばにおるん...??
...と、りゅと、龍友!!
目を開ければ目の前には萌。
夢か...。
「なんで、泣いてるの...?」
「え、」
気づかないうちに、泣いていた。
「龍友、ほんとに彼女のこと好きなんだね」
「なにゆーとるん。ぼくは...」
「龍友、寝てる時彼女の名前呼んでた」
少し悲しそうな顔をしたけど、彼女の顔は曇っているようには見えなかった。
「ちがう、僕は萌をちゃんと愛してる。ただ...」
ただ夢に出てきただけ。そう言おうとしたが、
どこかで聞いたことがあることが頭に過った。
"夢に出てくる人は貴方が会いたいと思っている人"
違うんやて、ちがう、
違うって萌に伝えたい。
でもな、変えられやんねん。
僕がAちゃんを好きってことは。
愛しとるなんて。
「幸せって難しいね」
玲於と同じように萌は呟いた。
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Kas(プロフ) - みこさん» めちゃくちゃうれしいです!!!ありがとうございます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - りなgさん» それいいですね!!!考えてみます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも泣きながら見てました(ToT)続編楽しみにしてます!!! (2019年3月10日 19時) (レス) id: 7508aee575 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編待ってます!もうダイスキすぎる作品! (2019年3月10日 2時) (レス) id: fe270701ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2019年1月26日 21時