"愛す" をコンビニで買う 2 (ページ10)

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嫉妬と幸せページ10

_龍友side

本番までの間、

Aちゃんのこと考えとると頭がおかしくなりそうで、

「ジム行こ...」

時間あるからジムへと足を向けた。

.

廊下を歩いていれば、

目のまえにAちゃんが現れた。

今すぐ抱きしめたい。

僕はAちゃんが好きやでって言いたい。

でも、僕はそんなに強くない。

挨拶を交わした僕らの沈黙を破ったのは彼女だった。

話ってなんやろう。

そんなことが一日中僕の頭を占領した。

.

龍友の家 ((;Ryuto's house

収録が終わって、

家でひと息ついていた。

「Aちゃんに、連絡せなな、」

たまたま冷凍庫にアイスが入っていた。

また食べてるんかな。

なんて、彼女の想像をしながら発信ボタンを少し震える指で押した。

『もしもし、』

電話越しの彼女の声。

「僕やで。話あるんやんな、？」

『はい...。でも、いま帰り道で...』

まだ、仕事してたんか。

そう思っていたら向こうから声が聞こえた。

_誰?_

_数原さんだよ..._

_そっか、_

微かに聞こえた声。

大樹...。

.

僕はもう守れやん。

そう思っとるのに、嫉妬と独占欲が僕を包む。

「なあ、直接話さへん??

今から僕の家おいでや。いつものコンビニで待ってる」

そういって一方的に電話を切った。

大樹とAちゃんがどんな関係かまだ聞いてへんねん。

僕が怖いだけ。

.

そんな不安を部屋に預けて家を出た。

コンビニ ((;convenience store

『こんばんは...』

僕がコンビニにつけば、そこに彼女はいた。

「来てくれたんや、」

『数原さんが誘ったんじゃないですか』

って優しく笑うんだ。

「なんか奢ったろ。アイス、食べるやろ？」

『こんな時間に食べたら太っちゃいますよ～(笑)』

「太った方がええで」

『何ゆってるんですか』

「ほんまにいらんのやな？」

『いります、』

「ほれみい」

この会話。この感じ。

ちょっとしてなかっただけやのに懐かしいって思う。

この瞬間がすっごいすき。

隣でAちゃんが笑っとるだけで、

それだけで、幸せ。