受け止めきれない現実 ページ46
_玲於side
今日はAん家でとまる。
そう思っただけでニヤニヤする。
まだキス止まりな俺たちだけど...。
そう頬を抑えて帰ろうとしたとき。
「あの、」
声をかけてきたのはどこか見覚えのある女性だった。
.
「佐野さん、ですよね?」
「ああ、はい」
あ、そうだ。
龍友くんの彼女だ。
「龍友くんの彼女さんすよね?なんか用ですか?」
こう冷たく言い放ってしまうのも俺の良くないところだよな〜なんて思いながらも
目の前にいる彼女を見る。
「少しお話があって。」
その話が、少しずつ俺たちを狂わせるなんて思ってもいなかった。
いや、もう既に狂い始めていたことに、
誰も気づいていなかった。
.
入ったのは小洒落たカフェ。
個室の一番奥に入って向かい合わせに座った俺たち。
はやくAのとこ行きてーのにななんて呑気な考えは直ぐに打ち消された。
「あの、単刀直入にいうと...
彼女さんと別れてください」
「は?」
訳が分からなかった。
何言ってんだこいつ。
そう思って出た1文字だった。
「あんた、龍友くんと俺の彼女、昔色々あったの知ってんだろ。
なのになんでそんなこと言い出すんだよ」
冷たく言い放ったが、
彼女は真っ直ぐ俺を見て言った。
「龍友の彼女、だからですよ」
訳の分からない目の前の女がスラスラと話すことが信じられなかった。
.
龍友くん、俺らのこと全部背負ってたって言うのかよ...。
.
信じたくなくて、でも目の前の現実が何よりも証拠で。
Aの家までの道は、いつもよりも遠く感じた。
.
ピンポ-ン_
その音が俺を何故か緊張させる。
『玲於くんっ!!!!』
そう抱きつく彼女に、
深い深いキスをした。
.
俺の思いを打ち消すように初めて彼女を抱いた。
モヤモヤする。
俺はほんとに最低な男だ。
ごめんな、A。
それでもまだ、好きだと言ってくれる彼女を信じていたかった。
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加恋(プロフ) - 大樹くん最高すぎて泣きそう (2021年1月1日 15時) (レス) id: 2e418c8a08 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - ちーーさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちーー - 続きめちゃきになります!まってます! (2019年1月14日 0時) (レス) id: c05d53fa4c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - つつ゛ききになります! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2018年12月6日 23時