"愛す" をコンビニで買う 2 (ページ34)

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愛おしい彼ページ34

_貴方side

5月に突入。

玲於くんたちのツアーももうすぐ始まる。

衣装はほぼ完璧状態なんだけど...。

私が1度も立ち合えていないのが問題なのです。

別の会議だったり、他会社との会食だったりで結局代役を用意して出てもらった。

もちろん、事務所でコーディネートを考えてるのは私だし、

デザイナーとの架け橋を作っているのは私なのだけど...

やっぱり、玲於くんと顔を見て一緒にお仕事がしたい。

ツアーにつくのは私の仕事じゃなくて、

ツアーが始まってしまえばお仕事上の関係はなくなってしまう。

「佐藤！」

『はい！』

「GENERATIONSさん、衣装最終チェック行ってきて！」

『直し、終わったんですか！？』

「ええ、ようやく貴方の仕事よ」

立谷先輩は優しく笑った。

玲於くんとのことはもちろん知っていて、私が力を入れていたことも知っている。

だからこそ、立ち会えることを自分の事のように喜んでくれている立谷先輩。

ほんとに素敵な上司。

「頼んだわよ」

『はいっ、任せてください！』

玲於くんとも会うのは久しぶり。

心を踊らせながらLDHへと向かう。

お互い忙しくて、会えることがうれしい。

そんな感情の端っこに数原さんを思ってしまっていた。

それに気付かないふりをして、LDHの事務所へとたどり着いた。

警備員さんには止められちゃったんだけど、

ｼｽﾌﾞﾛの...と話せば通してくれた。

怖かったあ(笑)

受付のきれいなお姉さんに事情を話せば、

GENERATIONSさんのいる会議室に案内された。

「こちらです」

緊張するなあと思いながらドアをコンコンコンと叩く。

すると中から聞こえてくる明るい返事。

ガチャとドアを開けて

『今回のツアー担当の佐藤です！』

と微笑んで玲於くんを見れば、口を開けて固まっている。

「ええ！？玲於の彼女さんじゃん！！！」

「Aちゃんひさしぶりだね！！」

『えへへ、お久しぶりです(笑)担当なのに、今日しか来られなくてごめんなさい』

と笑って話していれば、割り込んで入ってくるのは私のいとしい人。

「隼、めんさん近い。俺の」

「玲於がでれてる！！！」

「亜嵐くん静かにしてて」

目の前で顔を赤くしてる彼が可愛くて、

少し意地悪く、

『寂しかった？』って聞けば、

「べつに」ってそっぽ向くの。