【utit】何度生まれ変わっても、また君を愛します-first-【tnrnskt.】

７ ページ8

浜辺に座り込み、海を見つめる。

？「海、好きなん？」

唐突に横から話しかけられ、ビクッとなった。
隣を見ると、夕日のような、赤い髪色をした男の人。

『･･･海っていうか･･･海に沈む夕日が好きなだけです』

顔をそらし、少し距離をとるかのように言い放った。
でも、その人は気にすることもなくニコニコとしたまま。

坂田「ね、僕の名前は坂田優。君は？」

急に名前を名乗ってきて困惑する。
私は名前を言うか少し迷って、迷った結果、言うことにした。

『･･･愛沢、Aです』

坂田「うん、Aちゃんね」

終始、笑顔のこの人を見ていると、夕日じゃなくて太陽なのかも、なんて思ってしまう。
･･･そんなことよりも･･･

『あの、坂田･･･さん？は･･･なんで私に話しかけてきたんですか･･･？』

坂田「Aちゃんってさ、よくここに来てるでしょ？僕もよくここに来るから何度か見かけてて。僕がここにくるのは、悩みごととかがあるからなんだけど、その、なんか悩んでるのかなぁって思って･･･」

この時から、この人の印象は暖かい優しい、太陽のような人という印象になった。
ゆっくりと目を開いて、起き上がると、謎の安心感に包まれていた。
今度は、かなり懐かしい夢を見た。
初めて優くんに会ったときの夢だった。

坂田「あ！A、おはよー！！」

『うん、おはよう！』

今でも十分、太陽のような人なんだけど、今の印象は違う。
今の印象は、笑顔が太陽のような、寂しがり屋の人、みたいな印象。

坂田「A？どうしたん？ボーッとしてるで？もしかして、また変な夢でも見た？」

『んーん、今度は懐かしい夢だった。初めて会ったときの夢』

坂田「あ、Aが僕が通っている学校に転校してくる前の時やろ！？覚えてんで！」

唯一、優くんがおしゃべりだという印象は、昔から変わってない。

８　相川 真冬→←６　坂田 優

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す