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「お前、何処の人間だ?」






彼と出会ったのは禪院家敷地内のとある倉庫の中。


余所者の俺をいじめにきた奴らを返り討ちにしたところに偶然やってきた彼。



烏の濡れ羽色の髪と、俺を見下ろす黒曜石のような目。


あまりの美しさに、息をするのも忘れて見入ってしまう。


一目惚れだった。
























雷電家、俺の一族は地方の小さな呪術師の一族だった。

が、ある日、雷電家が繁栄していた時代の当主と同じ術式を持った子供が生まれた。

それが俺、雷電A。

所謂“先祖返り”ってやつだ。




うちの親は、だからといって俺に呪術師になるのを強要するわけでも、英才教育をすることもなかった。

しかし俺は禪院家に目をつけられてしまい、親に売られた。



正確には、売らざるを得なかった。



俺以外の一族を殺すなりなんなりして、どうせあっちの養子にされていただろう。

だから別に親を恨んではいないし、寧ろここまで愛情を込めて育ててくれたので感謝している。





でも、禪院家の人間は今でも嫌いだ。

強力な術式を持った俺を、なんとか戦力にして他の御三家との差をつけようと、毎日訓練、訓練、訓練。

変な作法や女とのまぐわい方まで教えられた。






側から見たら、他所から来たガキが大切に教育されているよう。

それをよく思わない連中が、しょっちゅう嫌がらせをしてきた。




最初は陰口や足を引っ掛けられる程度のものだったが、徐々にヒートアップしたそれは、集団での暴力まで発展していた。


俺がここでは問題を起こすと、親が危ない。


そう思って我慢いたのに、ある日、俺の中で何かが切れてしまい、気づくとあいつらは全員他に伏せていた。




あぁ、やってしまった、どうしよう、とへたり込んでいたところに彼がやってきた。




「お前、名前は?」


『…雷電、A』



「っは、そうか、テメェが地方から連れてこられたガキか。」


『お兄さんの、名前は?』



「俺か?甚爾だ。」





鼓膜を震わす低い声が心地いい。



甚爾、そうか、彼は甚爾というのか。

と心の中で繰り返していると、彼は俺の目の前にしゃがんで口角を上げた。






「なぁ、俺近いうちにここを出て行くんだよ。

お前、一緒に来るか?」





今会ったばかりの、人生で初めて恋をした相手からの、駆け落ちの誘い。






『…………いや、いかない。』






俺はそれを断った。

家族の命の方が重かった。



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omiu8899(プロフ) - コメント失礼致します!悟かわいすぎて…攻め主最高です!更新楽しみにしてます!!!! (2022年1月26日 23時) (レス) @page39 id: 8cab90b17e (このIDを非表示/違反報告)
もりお(プロフ) - 悟可愛いすぎないですか??めちゃくちゃハマりました。更新待ってます! (2022年1月23日 22時) (レス) @page38 id: 528486578c (このIDを非表示/違反報告)
Amia(プロフ) - コメント失礼します!男主攻め最高です!!!神作すぎる!!hシーンがやばい!好き!更新気長に待ってます!!!れ! (2022年1月20日 1時) (レス) id: a17ad9492d (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - コメント失敗致します!!イチャイチャ最高です……!!あと作者さんめちゃめちゃ画力高いですね…!!🤦🏻💞めちゃめちゃかっこいいです…。更新待っております…!!🌝🌝 (2022年1月17日 22時) (レス) @page32 id: 89115c5d0c (このIDを非表示/違反報告)
ロシナンテ。(プロフ) - イラスト控えめに言って最高です😭👏✨ (2022年1月17日 22時) (レス) @page32 id: 7c91679d8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かんみ | 作成日時:2022年1月7日 1時

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