【銀魂】沖田兄弟の受難【男主】 (ページ12)

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10話ページ12

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サクリと気持ちのいい音をたてながら、口内に広がる肉の味。警戒した意味は特に無かったのか、俺好みで丁度いい味付けの唐揚げだった。1つずつゆっくり頬張っていると、総悟が不貞腐れた顔をして俺の方を見た。

「やっぱり兄ちゃんは面白くねェや」

その手に握られているのは、髑髏のマークが付いた真っ赤なタバスコ。びんの蓋は空いており、何があったのか瞬時に察した。

『お前…』

「食っても気付かねーなんてね」

思わず残っていた唐揚げを凝視する。
ほのかに赤みがかっているような気がしなくもない。

というか、タバスコ入りとか言われると残りを食べる気失せんだけど。

箸を右手に持ったまま硬直していると、隣で見せびらかすように何もかかっていない唐揚げを頬張る総悟。

ちょっと兄ちゃん悲しくなってきたんだけど。

でも、お前がそう来るなら受けてたつ。

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調味料入れに手を伸ばし、手にしたものを自らの唐揚げにぶっかけた。

「土方の真似事でもしてんのかィ」

『真似なんてする訳ねーだろ。ただ俺が好きなだけだ』

手に取ったマヨネーズを元の位置に戻すと、再度唐揚げに箸をつけた。

…こんだけすりゃ、タバスコなんて気にならないしな。

いつも何かとちょっかいを出してくる総悟へのプチ反抗だ。

そのまま無言で唐揚げを食べ進めていれば、隣から小さな笑い声が聞こえてきた。当の本人は抑えようとしてるんだろうが肩が震えてんぞ…総悟。

「食い方、ハムスターみてェ」

『お前なぁ…
それを言うならお前だってチワワだぞ』

「あり？兄ちゃんには俺が小動物に見えてんのかィ」

『チワワの前に腹黒ドSが付くけどな。見た目だけだ。皆チワワみたいな見た目に騙される』

「そりゃ酷ェや」

『…まあ、チワワが悪い訳じゃねーし少なくとも俺は好きだけどなチワワ』

「おー、貴重なデレ頂きやした」

今度は堪えようとせずにくすくすと笑いだした総悟。こいつの自然な笑顔久々に見た気がすんな。