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「ふーん、こんなことされちゃったんだぁ」
妙に甘ったるい声で 抱きしめ返され、その手は徐々に下へと下がっていった。
腰あたりまで来た時、さすがにまずいと感じ 押し返そうとした。
「ころちゃんにもそうしたの?」
「い、いえ……今のは予想外というか……っ」
赤くなった顔を隠すように 彼から離れる。
「ま、遅れた分は今ので帳消ししてあげます」
ふふん、と腕を組んで 彼は誇らしげにそう告げた。
____あれ、なにか忘れているような……
「____あっ!そう、なんの用事で呼び出されたのですか……?」
「そのことなんですけど、会いたかっただけなので」
一瞬、呆気にとられてしまう。
ただのメイドでしかない私にそんなことを言うなんて、そんなの____
「……からかわないでください」
このままここにいてはいけない気がする。なんとなく、本能がそう訴えている気がした。
……扉の方を向くと、彼は「ふふ」と笑った。
「からかってると思います?」
「はい」
即答。
彼はいたずら好きということもあり、からかっているだけとしか思えない。
「からかってなんかないですよ?ほんとに会いたかっただけです」
「____用事がないなら失礼します」
キッと睨むと、彼もちょっとバツが悪いのか目をそらされた。
「ま、待ってくださいよ。ね、今日の夜さ____」
「ここきて」と耳元で囁かれる。
意味がよく分からず見つめ返すと、目で「いいから」と伝えてきた。
「____では、失礼します。本日の20時頃伺いますね」
「……前からずっと言ってますけど、別にタメ口でもいいんですよ?」
もうこれ以上 王子様のわがままには付き合っていられないと思い、重たいドアを開ける。
「……失礼します。では」
「____さーて、準備しておきますか」
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時