君が好きだから【占い師】 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:17,658 hit

20話ページ20

夕方、今日のゲームが全て終わった頃に彼は来た。

「ノートン・キャンベルです。よろしく」

何ともシンプルな挨拶だった。

同時に彼の笑顔に違和感を感じた。

僕達も順番に自己紹介をしていき、その後彼の歓迎パーティーが開かれた。

・

・

・

パーティーも終わり静かになった荘園で僕は寝付けないでいた。

少し外の空気を吸おうと僕は自分の部屋の窓を開けた。

そこには漆黒に染まりきった空が広がっていた。

今日は全くと言っていいほど星々は見られなかった。

『星、見えないね』

いきなりの言葉に僕は耳を疑った。

普通は寝ている時間だから。

横を向けば窓枠に肘をついて空を見上げている彼女がいた。

『いつもあんなに綺麗なのに……

星達も輝くの疲れちゃったのかな…(ﾎﾞｿｯ』

そういって目を細める彼女にも

彼女が小さく吐いたその言葉にも

僕は何を言っていいかわからなかった。

『明日も頑張ろうね、じゃあおやすみ』

「あ、ああ、おやすみ」