無意識に ページ35
※今回はやぶひかです。薮くんsideです
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｢っはぁ、っ、ぁ｣
よく分からなかった。
ここがどこで、自分が何をしているのかも。
ただただ暗闇だけが広がる世界を走っていた。
まるで、何かから逃げるように。
.
｢どこ行くのっ、薮。｣
腰に伝わる温かさ。と同時にふわっと意識が蘇ってくる。
ここはどこ？
これは何？
誰の腕が回ってるの？
｢待って、まだ夜だから。
行かないで。｣
震えた声で腰に回されている手に力がぎゅっと込められる。
この声は誰なんだよ。
身長の低さからか俺の耳元にダイレクトに聞こえる声。
でも、なんだか心が落ち着いていく。
そんな気がした。
｢ベッドに戻ろう。｣
優しく俺の手を握って前を歩く。
この茶色い髪も、ちょっと筋肉質っぽい所も、その綺麗な手も。
俺は何をしているんだろう。
話したいのに声が出ない。
だんだんその後ろ姿がぼやけていく。
.
｢大丈夫だよ。ずっといる。｣
まるで俺の考えていることがわかるような
そんな口調で背中を撫でてくれる君は。
｢ごめんねっ、ひかる｣
俺の大好きな恋人。
ごめんね。
まだ吹っ切れてないんだよ。忘れられてないんだよ。
まだ、暗闇の中を走り続けてるんだよ。
｢もぅ、やだっ。終わりたい。逃げ切りたいぃ｣
苦しい。
あの悪夢から逃げたい。
｢やぶっ、｣
なんでお前が泣いてるんだよ。
もう俺には光しか...
光しかいない。
だから、
｢見捨てないで｣
こんな俺なんか誰も求めてない。
泣き虫で弱くて、強がりな俺なんかは
誰も求めてないんだ。
薮に戻らなきゃ。
ちゃんとした、頼れる薮に戻らなきゃ。
.
｢いいの、俺はっ、薮が必要なの！
本当の薮を俺に見せてよ。
隠さないで見せてよ。みんなと一緒なんてやだ。
だって、恋人でしょっ？｣
俺以上に涙を浮かべ、震えた声で優しく俺の頬をなぞる。
｢ずっとそばにいる。
だから、薮も俺から離れてかないで。
.
大好きだよ、こうた。｣
そっと乾いた唇を重ねる。
.
ごめんね。光。
親と重ねてみてしまう俺を許してね。
大好きな光をあんな親と重ねて見てしまう俺を...
｢代わりでもいい。
俺は薮と一緒にいたい。｣
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yuria(プロフ) - 続き凄く気になります！これからも更新頑張ってください！ (2018年10月7日 22時) (
レス) id: 30859cc1ac (このIDを非表示/違反報告)
Ａｒｒｙ(プロフ) - 書いていただきありがとうございましたm(_ _)m (2018年4月6日 23時) (レス) id: 8495b6ebc2 (このIDを非表示/違反報告)
Ａｒｒｙ(プロフ) - ありるんライスさん» はい！これからも応援してます ♪ (2018年4月6日 8時) (レス) id: 8495b6ebc2 (このIDを非表示/違反報告)
ありるんライス(プロフ) - Ａｒｒｙさん» ありがとうございます！頑張って書かせていただきますね！ (2018年4月6日 7時) (レス) id: fa78f90175 (このIDを非表示/違反報告)
Ａｒｒｙ(プロフ) - リクエストなんですけど、大ちゃんがひかとのお留守番中に具合が悪くなっちゃってる、胃腸炎になってしまうお話が見たいです！ (2018年4月5日 23時) (レス) id: 8495b6ebc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nonfuii | 作成日時：2018年3月18日 22時
