8 ページ8
ut「………おかしいなぁ？」
なんやボソボソ言うとるな。
まぁええわ。
埃の白粉を纏ったカーテンを開けると、月明かりが差し込んで少しは明るくなった。
ランタンで照らしつつも月明かりを借りて、もう一度部屋を良く見渡す。
恐らくちゃんとした物置は別にあるのだろう。
物置部屋と言うには物が少なかったから、もしかしたら地下か何かあるのかもしれない。
屋根の形も、明らかに屋根裏部屋がありますよって形や。
部屋の端の方に纏められていたのは木箱のみ……なんだか違和感があった。
tn「大先生、ドア閉めぇや。」
ut「あ、うん…。」
取り敢えず俺達の役目はここの見張り。
恐らくここに来るべき侵入者に備える。
流石に武器は持たせてもらえんから丸腰やけど、相手は泣き女とも言われるバンシー。
暴力的な者じゃないらしいし、男二人なら難なく捕獲できるやろう。
人間じゃないにしろ女性に手をあげるのは気が引けるが…仲間に手を出されちゃたまったもんやないからな。
なんて考えている間、鬱はなにやら忙しなく部屋を探索していた。
tn「なんや、そこになんかあるんか。」
ut「いや…何か違和感ない？」
tn「はぁ？」
ut「いやね、様子を見るにこの部屋はあんまり使われてないやん？
にも関わらず、部屋の入り口付近とここの隅っこのとこだけ埃が少ないねん。」
tn「ここんとこの人が入っとるんちゃう？」
ut「やとしたら掃除くらいするやろ。この広い屋敷で主人は一人…俺なら暇すぎて屋敷中掃除するわ。」
tn「……言い得て妙、やな。」
ut「やろ？それと…これや。木箱。
まぁまぁ広い物置部屋にしまわれとるのは木箱だけ。
なら、こんな風に隅っこにわざわざ積み重ねなくてもええんちゃう？
スペースは充分開いとるし、何より取り出す際には重ねられてない方がええやろ。」
tn「はぇー……つまり何が言いたいかと言うと？」
ut「まぁ…早いとこがこれや。」
そう言って鬱は俺からランタンを取り、木箱の上辺りの天井を照らした。
そこには、子供一人なら通れそうなくらいの小さな穴が開いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タマゴノカラ(プロフ) - しおりんさん» 食べ物の部分は何気に力をいれているところなので、美味しそうと言ってもらえて嬉しいです(^ー^) (2020年8月15日 13時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - 美味しそう(￣¬￣)…オムレツに…サラダに…チキンハーブパイ､！ (2020年8月15日 3時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - キリカさん» 今晩は。私なんかの作品が貴方様の目に留まったことをとても嬉しく思います、喜んでいただけたようで何よりです。此方こそ、よろしくおねがい致します！m(_ _)m (2020年8月12日 22時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 夜分に失礼します。この小説が目に止まり、読ませて頂きました。ほんわかして、とっても心温まります。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年8月12日 20時) (レス) id: be4d52850d (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - 紫【ゆかり】さん» ご報告ありがとうございます、直ちに直させて頂きます！ (2020年6月17日 19時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2020年5月15日 19時
