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ロボロが子供達を見てくれて居るので、私はこの侵入者と話をすることにした。
本来であれば鉄槌を下し追い出すはずだったのだが……目の前の侵入者は明らかに子供。
となれば、武力行使は些か大人気ないだろう。
『おいお前。』
「…。」
真っ黒の服を着た子供は何も喋らず、ただ俯いている。
少し心が痛んでしまったのは内緒だ。
『……すまない、飲み物を頼めるか。』
「はいよ。」
…流石にいくら侵入者と言えど、いたいけな子供をいじめる趣味はない。
えらく震えているようだし、飲み物くらい出してやろう。
シェフはホットミルクと小さなビスケット数枚を皿に乗せて持ってきた。
「…！」
子供は少し顔を上げたかと思うと、じっとミルクのカップを見つめた。
『お前の分だ。あの子らが気付く前にさっさと平らげてしまえ、取られるぞ。』
そう言うと、子供は匂いを嗅いでから恐る恐るビスケットを舐めた。
……そう、舐めたのだ。
別にチョコやジャムがついているわけでもないただのビスケット、それをぺろぺろと舐めているのだ。
『…は？』
「…？」
見かねたシェフが、子供の側に歩み寄る。
「おいボウズ、それはビスケットってんだ。知ってるか？」
「……？」
「何だ知らねぇのか、じゃあ俺が特別に食い方を教えてやる。
まずは香りを嗅いでみろ、蜂蜜とアーモンドの香りがするはずだ。
そしてから一口齧ってみろ。
どんな食感で、味で、風味でって自分の舌で感じるんだ。」
その子供…恐らく少年は、シェフの言うとおりにビスケットを食べた。
サクサクと音をたてて少しずつ。
「どうだ、旨いだろ？
2枚目はミルクに浸してみろ。ちょっとふやけてから口にいれるんだぜ。」
にこにこしながらビスケットを食べさせるシェフと、幸せそうな顔をしてビスケットを食べる少年。
何とも愛らしいのだが…シェフはそれが侵入者だと言うことを忘れているようだ。
すっかりビスケットを食べ終え、ミルクを飲み干した頃に私は話をすることにした。
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タマゴノカラ(プロフ) - しおりんさん» 食べ物の部分は何気に力をいれているところなので、美味しそうと言ってもらえて嬉しいです(^ー^) (2020年8月15日 13時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - 美味しそう(￣¬￣)…オムレツに…サラダに…チキンハーブパイ､！ (2020年8月15日 3時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - キリカさん» 今晩は。私なんかの作品が貴方様の目に留まったことをとても嬉しく思います、喜んでいただけたようで何よりです。此方こそ、よろしくおねがい致します！m(_ _)m (2020年8月12日 22時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 夜分に失礼します。この小説が目に止まり、読ませて頂きました。ほんわかして、とっても心温まります。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年8月12日 20時) (レス) id: be4d52850d (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - 紫【ゆかり】さん» ご報告ありがとうございます、直ちに直させて頂きます！ (2020年6月17日 19時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2020年5月15日 19時
