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1枚 ページ3

『彩へ


貴女がこれを読んでいるという事は、私はもうそこにもう居ないのでしょう。


なんてありきたりな事、私には言う資格はないと分かっています。


貴女は私の事を忘れているかもしれませんね。


人間は余りにも大きなショックがあると、記憶の一部が消えてしまうのだそうです。


そんなショックを実の親が与えてしまうなんて、酷い事だと思います。


貴女には途方も無い迷惑をかけてしまいました。


ごめんなさいなんて言葉では許されない程に。


本題に入りましょう。


本当の事を話します。


私と貴女の父親は、とあるコンサート会場で出会いました。


私はピアニストで彼はバイオリニスト。


私はその時、彼に一目惚れしてしまったのです。


彼も私に惹かれたようで、私達は見事、付き合うことになりました。


その後、関係は進み、見事結婚。


同業者達にも祝福される、理想的なカップルでした。


そして、彩、貴女をもうけたのです。

2枚→←紙



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作者名:紗玖 | 作成日時:2019年1月30日 22時

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