決戦 ページ9
兄者 side
依頼が来た次の日、依頼人から手紙が届いた。
内容は「狐と接触することができたので、おびき出せそう」というものだった。具体的な日時、場所も書かれていた。
ありがたいと言えばそう言えなくもないんだけどねぇ...なんかトントン拍子すぎて拍子抜けっていうか...一周まわって怪しいというか...まぁ少しの違和感はある。
とはいえ愚弟が「え、この人すごーい!えー当日の武器どれにしよっかな〜♪」などと1人で突っ走り始めてしまったので、仕方なく手紙の内容に乗っからせてもらうことにした。
そして現在。
弟「おついちさんなんでこっちなの?」
お「君、兄者くんの話聞いてなかったの?」
俺たち3人は指定された場所へ向かっていた。
目的地は港沿いの廃工場。
ドラマとかでよく見かけるようなのイメージするといいよ。
今回は俺もおっつんも弟者と一緒に突撃部隊。相手は1人だし、今回はハッキングとかの心配もないし、狙撃できるような遮蔽物ないし。
お「僕はほら、今回防犯カメラとか電子機器系ないし、兄者くんも狙撃は無理そうだからってさ」
弟「なるほどねぇ」
お「ってちゃんと作戦立てた時に言ってたよね」
弟「あれ、そうだっけ」
兄「お前はバカなの?ちゃんと聞いとけよ」
思わず頭を抱えたくなる。戦闘狂のうちの愚弟は比較的頭も使えるはずなのに、何故時たまポンコツなのか。
兄「今回はそんな複雑じゃない。やってきた相手を3人で確実に仕留めるだけだ。弟者、お前は前衛。好きなだけ殺れ。俺とおっつんは後衛で弟者の動き見ながら支援する」
弟・お「「了解!」」
お「でもあんまり予測不可能な動きされても誤射しちゃうからね、弟者くん」
弟「ちょっと、俺のことなんだと思ってるのさ!」
お「バーサーカー的な?」
弟「おぉう、カッコイイから許すわ」
口調はいつも通りへらへらしている2人だが、瞳は確実に獲物を狙う獣のそれだ。
建物の陰に身を潜め、壁に背中を預ける。中で足音が聞こえ始めたら1人が裏に回る。挟み撃ちにした方が相手の逃げ場が減り、こっちが有利になる。
裏に回るのは俺。おっつんに合図出してもらえば弟者が先陣切れる。俺もほぼ同タイミングで出られる。
トッ...トッ...トッ...
廃工場の中に人が入ってくる気配と足音がした。せいぜい100m×100mくらいの広さの工場だ。そんなに広くはない。
...そろそろか。
...3...2...1...Go!!
そして俺たちはほとんど同時に飛び出した。
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時