今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ10)

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戦い前のページ10

実行日当日。

草木も眠る、午前0時前。
指定された場所にやって来た。
見晴らしの良い港沿いの廃工場。
今は遠くの対岸のビルやマンションなどの明かりがキラキラと光っている。

右太もものホルダーには相棒のベレッタM92。両手にはこれまた相棒のグロック18C。どちらも拳銃で、普段から愛用しているものだ。
一応ナイフも持ってきてはいるけど使うかどうか...。

建物の扉の前に立つ。扉は全開。

廃工場の中はがらんとしている。
もっといろんな機材とかあるかと思ってたんだけど、ほんとになんもない。立体駐車場の一区画って感じかな。

でも誰もいない。これはこっちが先に飛び込まないと攻めてきてくれないパターンか。
一応暗殺者として生きてるんで真っ向勝負は好きじゃないんだけど...仕方ない。

スニーカーの音を僅かに響かせながらゆっくりと中に入る。

人の気配がするな。殺気が押し殺せてない。特に前にいる奴。しかも多分これ挟まれた。

そのまま訪れる静寂。
お互いがどう出るか、睨み合ってる状態。
どう動けば相手を殺れるか、自分が死なずに済むかを考える時間。

時が止まったように誰も微動だにしない。風の音も、自分の呼吸すらも聞こえなくなって、

刹那。

時が進む。