兄たちはがんばる ページ43
おついちside
朝5時。小鳥もまだ鳴かぬ早朝。
僕らは車の中にいた。
理由は簡単。
この間弟者が関わった依頼を受けたからだ。宮城のそこそこ大きなグループ。去年、僕らが壊滅させたはずのものの残党...らしい。決行は今夜。
そんなわけで叩き起して車に詰め込んで来たわけだけど。
お「皆さん、しっかりしてくださーい。弾薬とか銃とか忘れ物ないかもう1回確認して!兄者はMP5持ったの?今回僕らも前線に出るんだからね?弟者ー?この間ナイフ錆びかけてたけど錆止め塗ってあんの?Aちゃん、手榴弾渡しとくからちゃんと持っておくんだよ?」
僕の小言もとい確認にもほとんど反応しない3人。
隣のAちゃんを見ると、寝てる。
バックミラーで後ろの兄弟を見ると、寝てる。
おいおい、君たちおついちさんに頼りすぎじゃないかい?そんな奴らはさっさと去れ(古川風ボイス)
あ、ちなみに僕が運転してます。車は兄者さんのです。ほら、僕、ショートスリーパーだから。
兄者は寝起きは悪くないけど低血圧だから朝弱いし、弟者に至っては寝起き最悪。もうダメダメ。Aちゃんは過眠症気味だし普段も起きるの遅いし。ていうか免許ないし。
必然的に僕しか運転する人がいないわけよ。
お「これで忘れ物してたら身体が吹っ飛ぶと思えよ...」
僕の呟きは寝てる3人には届かない。
朝8時。
ようやく兄者が起きた。厳密には30分くらい前には起きてたんだけど、頭が覚醒しきっていなかったらしい。「チッ...7時半かよ...」ってド低音が後部座席から聞こえてきた時はちびるかと思いましたけどね。
兄「おっつん、さんきゅ。こっからは俺が運転代わるわ」
お「おう、頼みますわ」
兄「今はえっと〜?」
お「郡山の辺りかな」
兄「OK」
兄者と場所を入れ替え、弟者の横に座る。気持ちよさそうに「あっ...パン...」とか言ってる。あなたどんな夢見てんのよ?
お「あ、兄者くんガソリンちょっと心配だったから1時間くらい前かな?入れといたよ」
兄「あーわり。あとで領収書ちょうだい。経費で落とすわ」
お「あいよー」
『...んにゃ』
お「ん、起きた?」
『んー............ねゅ』
兄「着いたら起こしてやる」
『ありあと...』
Aちゃんが目を覚ました。だがまたすぐ眠ってしまったようだ。全く、この子は本当によく寝る。
...ていうか何今の、超可愛くない?
お「兄者、今のすげー破壊力な」
兄「不覚にもときめいた」
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時