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何してたんだっけ ページ38

現在ピンチ。
弟者さんと密着した状態でネオン街の裏路地に身を潜めている。で、誰かが近づいてきている。



背中に弟者さんの押し殺した呼吸が伝わってくる。

心臓の音も聞こえてきそう。



「...でさ」

「...で...そうそう...」



複数の足音と声が近づいてくる。

なんでだろう、何となくバレちゃマズイ気がする。



ザリッ...ザリッ...



確実にこっち来てる...!

本能が全力で危険だって警鐘を鳴らしてる。
弟者さんの腕に力が入り、さらに身体をぎゅうっと抱きしめられる。



「...そう、であの時...」

「それ知ってるわー」



もう声もはっきりと聞こえる距離。

やばいやばいやばい。
別に悪いことしてるわけじゃないんだけど。

それでもこう、なんかダメだなって感じる時あるでしょ。アレだよ!!



「...ーい...」

「あ、終わったっぽい」

「はえーな、さっすがぁ」

「かーえろかえろ」



ザリッ...ザリッ...




足音が遠ざかっていく音。声もだんだん聞こえなくなる。

...もしかしてこっち来ない?




『っはぁ...』


気配が完全に消えたのを確認すると大きく息を吐き出す。


弟「っぶね〜...超焦ったわ...」

『心臓破裂するかと思いましたよねマジで...なんとなく勘で「あっバレちゃダメだ」って思いましたもん』

弟「俺もそう。勘がね、やっぱこう...キタね」

『ね、キましたね』


背中に伝わる、弟者さんの緊張が解けた感じ。私の口を覆っていた右手はいつの間にか左手と一緒になって私をホールドしている。ちょっと重い。

ていうか弟者さん、語彙力。


『...とりあえず離してもらえません?私たちターゲットの尾行中でしょ』

弟「はっ!ご、ごめん焦ってつい!悪気はないんだ!」

『まるで吹き替え映画のワンシーンみたいな綺麗な弁明しますね』

弟「ちょっとそれどんな感想だよ(笑)」


離れるように告げると慌てて両手をぶんぶん振る弟者さん。

なんだろうこの人、少年かな?(遠い目)



『...まぁいいです。気を取り直して尾行再開しましょう。今何時ですか?』

弟「えー?えっとねー、ちょっと待ってね。...ん、6時でーす」

『え、もう3時間も尾行してるんですか?いい加減帰りましょうよ...人の色恋沙汰に興味は無いですよ』

弟「俺だって帰りたいけど兄者たちに怒られる方が嫌だ...」


『確かに...』



弟者さんの言葉に妙に納得してしまった私は、その後しばらく2人で張り込みを続けた。

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設定タグ:2BRO. , ギャグ×シリアス , 恋...愛??   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時

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