脅かしちゃダメだった ページ31
朝。
と言っても多分もう昼。ちょっと低血圧なんで朝弱いんすよね(?)
リビングへ続くドアを開けると弟者さんがソファでテレビゲームをしていた。
集中してるようだが、挨拶するべきかしないべきか。...迷った挙句そーっと近づいてってその背中をタッチすることにした。
弟「ぅあばらっちゃい!!?」
『うわっ』
ポンっと背中に触れると絵に描いたような驚き方で振り向いた。
その声にこっちまで驚いたわ。
弟「な、なんだAかぁ...ちょっとびっくりさせないでよ(笑)」
『え、あ、すみません。起きてリビング来たら真剣そうにゲームしてる弟者さんがいたから、つい』
弟「つい!?ついで驚かさないでくれる!?」
『すみません。それにしてもあばらっちゃいって...なんですか...ふっ』
弟「おいそっぽ向いて笑ってんじゃねぇよこっち向け(笑)」
あばらっちゃいって何語よ??
ふとテレビ画面を見るとGAME OVERの文字。
『あ』
弟「...あ」
『...まぁまぁまぁ。
...その、すみませんでした』
弟「...」
『...あ、じゃあ私これで部屋に...』
弟「どこへ行こうと言うのかね?ん?」
『ひぇっ...』
画面を見つめたまま動かなくなった弟者さんに小さく声をかけて部屋に戻ろうとした。が。
こっちを向いた弟者さんは満面の...というか真っ黒い笑み。怖いわ。
『あっちょっとその顔でこっち見ないでもらって...』
弟「ははは...大丈夫。なに、ちょっと俺の気持ちを分かってもらうために教育を...ね」
どす黒い笑みのままゆらりと立ち上がった弟者さんはゆっくりと私に近づき___
コントローラーを手渡してきた。
『...は?』
*
『待ってしゃがめない!しゃがめない!!』
弟「あっははははは(笑)」
『おいぃまたここからかよ!』
1時間後。
私は弟者さんとゲームをしていた。ゴリゴリのホラーゲーム。
一通り操作方法は教えてもらったが、イマイチ覚えられず苦戦していた。
弟「あーおもしれー(笑)だからさっきも言ったでしょ〜?右トリガー+下十字キーだってば」
『覚えられないんですってば!』
弟「これそんな操作難しいゲームじゃないよ?ただ脅かし要素があるだけで...(笑)」
『あー心臓痛い...』
突然上からゾンビ降ってくるとか信じられない...面白いけど!
これからは脅かすのやめよ。
弟「どう?これをやり直しする俺の気持ち分かってくれた?」
『あーもうそりゃ痛いほど...』
弟「(笑)」
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時