守りたくなる感じ ページ22
弟者 side
最初パッと見た時は男か女か分からなかった。体型は心なしか女性寄りだったけど、服装とか動き方とかでは判断できなかったし。
でも対峙してみて気付いた。
あ、この人女の人だ、って。
こういう世界でも女性はいるけど、ここまで戦える人はそうそういない。だから純粋にすごいなって思った。
狐が倒れた後は、兄者の車に乗って4人で帰ってきた。最低限の応急処置はおついちさんが車の中でしてくれた。
戦ってる時は深くフード被ってたしお面つけてたから顔とか見えてなかったけど、この時に色白で艶のある黒髪の女の子だと分かった。
いや普通に可愛くね?
なんでこんなちっちゃな女の子が暗殺稼業なんてやってんの?って聞きたくなるくらいには可愛く見えた。
*
だから兄者とおついちさんに協力関係を結ぶことを提案した。
好きとか手元に置いておきたいって気持ちよりかは、これ以上この子を危ない目に合わせていいのか?って疑問とか、なんていうか、庇護欲?みたいなのが湧いてきたって言ったらいいのかな。
あ、あれだ、妹が可愛くてしょうがないお兄ちゃんの気持ち。あんな感じだった。俺お兄ちゃんじゃないからなんとなくだけど。
兄「いや、うん...分からなくはねーけど...一つ屋根の下で生活できるほど簡単に信用出来なくね?」
弟「そんな簡単に信用出来るとは思ってないし、信用されるとも思ってないよ。でもほら、分かるだろ?ほっとけないあの感じ」
兄「小せぇ頃のお前に対するのと似てる」
弟「おぉ?(笑)なんか引っかかんな?」
兄者も俺と似たような感覚だったみたい。
だけど俺のことほっとけないってどういう意味だコラ(笑)
お「あ、そう言えばこんなもの見つけたんですケドー」
兄「おっつん何ソレ」
お「見たところカードキー?あの子のポケットから出てきた。701って書いてあるからホテルか何かのやつじゃないかなーって」
弟「ホテル?ってことは定住してないのかな?もしくは家が東京じゃないとか?」
お「どっちの可能性もあるね。どうする?弟者案を提案する時にカマかけてみる?」
弟「それでダメだったら?」
お「あーもうそん時はそん時です」
そんなこんなで俺たちの話し合いは何時間もかかった。
最終的には兄者も渋々納得してくれて、おついちさんも上手く脅す(ゲスい)と笑って了承してくれた。
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時