ツンデレ兄さん? ページ23
住むと決まってからが忙しかった。
まずホテルに置いてある服やらなんやらを取りに行かなあかんやないかというところからだった。
『でもこの状態じゃ数日は出歩けませんよ。ていうか服ねーし』
お「それで出歩いても俺は全然アリだと思うけどなー」
『ナシよりのナシですね。いくら軽くワンピース状態とは言えただのサイズでかいTシャツですからねこれ』
怪我は時間が経てば治るが、服に関してはどうすんのよこれという感じだった。普段ワンピース着ないから慣れない(丈は膝上10cm)
かつての私の服はボロボロで血だらけの布切れと化してしまっていてもう着られそうにない。
弟「買いに行くしかないんじゃない?」
『服取りに帰るために服買うんすか...』
弟「新しいの買うんだって思えば!」
『仮に服買うとして服買うためにこの服で外出なきゃなんないじゃないですか』
弟「...あれ、服ってなんだっけ...」
『しっかりしろぉ!!』
私の御託並べに精神持ってかれた弟者さんを置いて、おついちさんがさっさと話を進める。
お「Aちゃん」
『はい』
お「俺とお散歩しながらホテル行くのと弟者とランニングしながらホテル行くのと、兄者とドライブしながらホテル行くの、どれがいい?」
んんー、どれも嫌だなぁ!というか言い回しが嫌だなぁ!そもそも誰かは確実に着いて来るのなぁ!
にっこり笑顔のおついちさんはなおも饒舌に話す。
お「弟者と遊んでないでさっさとどうするか決めなさいね。もしその格好で誰かにナンパされても俺らのうちの誰かは着いてくから安心していいし、そもそもあなた普通に可愛いんだから」
兄「おい待ておっつん、俺行くなんて一言も」
お「まぁたそんなこと言って〜。どうせ兄者くんもAちゃんのことほっとけないでしょー」
兄「...いや別に」
お「素直じゃねぇなぁ(笑)ごめんなさいね、あんな態度だけど兄者もあなたのことほっとけないのよ。弟者も、もちろん僕もね」
兄「...」
おついちさんの言葉に思わず兄者さんをじっと見つめると、ぷいっと顔を逸らされてしまった。
ほんのり耳が赤いのは気のせいですかね。
『あ、ありがとうございます...でも1人で行けるんで...』
お「ん?」
『いや笑顔の圧力よ...じゃあ人目気になっちゃうので車でお願いします...』
お「ですってよ兄者くん!頼んだよ!」
兄「えぇ...」
お「兄者くん?」
兄「ハイ...」
こうして兄者さんの車に乗って荷物を取りに行くことにしたのだった。
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時