負ければ死ぬ ページ12
...おいおい、嘘だろ？？
太ももからはドクドクと血が流れ続けている。
痛い。痛すぎる。
怯んだところをさらに攻め立ててくる赤いの。
青いのも緑のも、どんどん私の行動を狭めてきている。
痛みを振り払って足を動かす。
『...やっべーな』
弟｢いいね！っせい！！｣
ガキンッ、とナイフがぶつかる音。
ギリギリと効果音がつきそうなせめぎ合い。
弟｢力、弱いね｣
鋭く笑う赤いの。
確かにナイフはじりじりと私に近づいている。
そりゃそうだ、普段は暗殺を生業としているのだ。当然、力づくで進む方法はあまり持っていない。
技術じゃなくて元からの体格とかも関係するしな。
『黙れ』
だからこそ。
ナイフで押し切ろうとする、そこを狙う。
今だ。
パンッ！！
弟｢ん"っ！？｣
脇腹を押さえて飛びずさる赤いの。
押さえた左手の隙間からは血が溢れている。
チッ...ナイフの方に集中させといて銃でどてっ腹に穴あけてやるつもりだったのに...さすが殺し屋、命中は避けたか。
弟｢おいおい...やってくれるじゃないの｣
赤いのが苦しげに吐き捨てる。
でもまだダメだ。どちらも手負い。にもかかわらずあっちにはまだ2人も無傷がいる。
お｢マジかぁ...なるほど｣
兄｢...気付いた？これやっぱ...｣
青いのと緑のは何やらぼそぼそ話している。
...と、そこであることに気付く。
気配。
それもたくさん。
兄｢伏せろっ！！！｣
頭で考える前に身体が反射的に動いた。
そして。
ガッシャアァンッッ！！
一斉に窓ガラスが砕け散った。
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作者名：Alice:A | 作成日時：2019年7月24日 0時
