真っ向勝負 ページ11
パンパンッ
パンッ
陰から飛び出してきたのは、スーツっぽい男たち。
3発。
ほとんど同時に飛んでくる。前から2発。後ろから1発。
目悪いからちょっと今弾とか相手の顔とか見えてないけど、そこら辺はその他の感覚使って、ね。
こういうのは1発目がすごく大事だ。
放つのも、避けるのも。
1発目に相手に当たれば相手のダメージが大きくなるし、逆に撃たれても避けられればこっちのものだ。
『ふっ...』
3発全て躱しつつ身体の向きを変えて左右に2発ずつ弾を撃ち込む。
弟「っせい!」
それを当然のように避けてきた赤いの(多分弟者)が勢いをつけてナイフを振ってくる。
『くっ...』
素早く躱し相手の太もも目掛けて数発。これ初期装備グロックで良かったな(連射できるため)
この赤いの、中々体術に優れてるな。すごく動きが良い。下手したら負けてる。
青っぽいの(多分兄者)と緑っぽいの(多分おついち)は程よい距離で私の行動を牽制してくる。
『...チッ』
大分厄介だ。思ったより連携がウザイ。
これじゃ防戦一方になってしまう。
一度体制を立て直すために、赤いのから距離を置く。もちろん、青いのと緑のとも離れた場所を選ぶ。
赤いのも私も若干息が上がっている。
弟「...いやぁ、君って噂通り強いんだねぇ」
唐突に赤いのが口を開いた。表情はよく分からないが(ぼやけているため)声音はやたら嬉しそうだ。というか渋い声してんな。俗に言う低音イケボってやつ?
弟「普段俺と殺り合える奴なんかいないからさ、今すっごく楽しいんだよね」
いや怖い。その発言ある意味ホラーだよ。楽しくないよ。
3人の様子を窺う。
特に今攻撃してくる様子はないが警戒心は絶対に解いちゃいけない。何があるか分からない。
『...だから、何』
そう低く呟けば、赤いのは心底残念そうな声になった。
弟「ん?だから?...だから、悲しいなって。俺らがここで今君を殺しちゃったらまた殺り合える奴いなくなっちゃうのかなって」
『...殺られるつもりない。死ぬのはお前らの方だよ』
兄「舐められたもんだな(笑)」
弟「ほんと。ま、だから楽しいんだけど、ねっ!!」
ダン、と踏み込んだ次の瞬間、目の前にはもう赤い髪。
咄嗟にグロックから持ち替えたナイフで目の前を薙ぎ払うが、赤いののワイシャツがちょっと切れただけ。
そして、ふと焼けるような痛み。
さっと目を走らせると、太ももから血が溢れていた。
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時