第二の試験 ページ5
第二の試験は、
《死の森》での巻物の奪い合いだ
ネジたちが巻物を得て、塔に向かう途中、
先頭を走っていたネジが何かに気付く
ネジ
「ん?あれは…」
テン
「どうしたの?ネジ」
ネジ
「直線上にあいつがいる」
リー
「あいつって、さっき話してた彼女ですか?」
テン
「どうする?迂回する?」
ネジ
「いや、このままいく。
ここはもう塔に近い。
巻物の奪い合いもこの時点では考えにくい。
それに、あいつ一人だ。
仮に戦闘になったとしてもどうとでもなる」
そのまましばらく進むと、
彼女の姿が見えてきた
よく見ると、うでを怪我しているのか、
血が流れていた
彼女も、こちらに気付いたように目を向けると、声をかけてきた
『ねえ、君たち。』
警戒しつつ、脚を止める
『私の仲間、見てないかな?はぐれちゃって…』
リー
「それは大変ですね…。でも、僕たちは
あなたの仲間には会っていません」
『そっか…。
もしよかったら一緒に探してくれないかな?
…ほら、私見えないから』
ネジ
「悪いが俺たちは先を急ぐ。他を当たれ。」
無慈悲に思うかもしれないが、
生憎見ず知らずの敵にかける情けなど、
ネジは持ち合わせていない
『そう、だよね…。ありがとう。』
先を急ごうと彼女に背を向けたとき、
ネジはあることに気がついた
ネジ
(巻物が、ない)
振り返ると、彼女の手には巻物
『これもね』
言うと同時に走り出す
ネジ
「急ぐぞ!」
テン
「でも、あのこだけなら塔には入れない」
ネジ
「いや、塔の真下で待機している」
彼女は、木や障害を巧みに利用して逃げるため、一向に距離が縮まらない
彼らがようやく追い付いたときには、
チームメイトと合流した彼女が
すでに塔の中に姿を消していた…
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作者名:じょうろ | 作成日時:2020年1月23日 21時