一匹狼。 (ページ1)

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夏が過ぎ、あっという間に10月の下旬

『っしょ、いってきまーす。』

「あっ、A。

今日は一段と寒いからこれを持っていきなさい。」

祖母から渡されたものは蜂蜜レモンのホット

『ありがとう、行ってきます。』

渡されたものを受け取り、玄関から足を出す

『うう、さっむ･･･』

ジャケットのフードを深く被り

片手だけポケットに突っ込みながら

いつもの学校の道程を歩いていく

『んーんーんーー･･･』

好きな曲を鼻で歌いながら歩いている途中

『あ、･･･っみません。』

「･･････せん。」

『あっ、』

私の不注意で男性にぶつかってしまい

蜂蜜レモンの入った入れ物が坂道を下っていく

『止まって、止まってっ･･･』

追いかけていると

私の隣を通って行った何かが一瞬だけ見えた

「･･････これ。」

『はぁ、･･･ありがとうございますっ。』

先程の男性が拾ってくれた入れ物を受け取る

いや、受け取ろうとするが

『あ、あの･･･ありがとうございました？』

男性は入れ物を持ったまま見つめている

すると

私に気づいたのか

あ、という顔を浮かべ入れ物を渡す

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