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「僕、これを勝手に持ってきちゃった・・・。」




そう言って見せてくれたものは


小さな可愛らしい花





『・・・これを?』





「うん。

・・・Aに合うなと思って、

でも僕お金っていうもの持ってなくて・・・

そのまま持ってきちゃったんだ。」






彼は狼だから・・・


お金など、人間のものが分からないのだろう


悪気があってやった訳では無い







『そっか、

・・・ねぇ、テヒョンさん。

私は貴方の事が知りたい・・・だから、

私に全てを教えてくれませんか・・・?』







彼はたまに、どこか遠くを見ている気がする


一体、今まで何を見てきたのか


テヒョンさんの口から知りたい、そう思った








「僕にはパパがいたんだ、ママは元々いなくて


パパだけが僕の傍にいてくれた。


でもそれは・・・他の狼と僕達は違うから、


人間になれたのはパパと僕だけ・・・。


でも、それでも良かった。


パパがいるだけで僕は幸せだったんだ。」




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作者名:hyu-ra | 作成日時:2020年9月21日 10時

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