Amar *47 ページ48
──せいぜい思い知ればいい。
自分がどれだけ非力なのか。
男がその気になれば、お前の抵抗なんて通じやしねぇ。
……ほら。
手首を封じてやるだけで、
足の間に膝を割り込ませてやるだけで、
お前は身動きひとつ出来なくなる。
「口、開けろ」
「は、…ん、むっ…！」
決して俺の言葉を鵜呑みにして、従順に従ったわけじゃないだろう。
なんで、粗方そう聞こうとでもしたんだろうが、あいにくそれに構ってやるほどぬるくない。
僅かに開いた隙間に舌をねじ入れれば、彼女の体がびくりと強ばった。
戸惑ったように逃げようとする小さい舌を追いかけ、絡めとってやれば甘ったるい吐息が零れ落ちる。
それさえも貪るようにより深いところを抉れば、少しだけ苦しげな、くぐもった声が漏れた。
脳に直接響くような水音が、緩やかに思考を犯していく。
彼女の手首を掴んでいた手の力を抜き、するりとその指を彼女の細い指と絡めれば、不安げにきゅっと握り返されて。
背筋が、ゾクリと震えた。
(……壊してえ)
いま彼女を追い込んでいるのは、自分。
だが、いま彼女が縋れるのもまた、目の前の自分だけ。
その倒錯的な光景に、ひどく満たされている自分がいる。
「…っ、はぁ、」
唇を開放してやれば、彼女は苦しげに胸を大きく上下させて息を吸い込んだ。
潤んだ琥珀は、いっそ目に毒なほどの色香を宿して彼を映す。
「……なに、も、くるし……」
「……お前息止めてたのか？」
「は、？あれで、どうやって息しろ…って」
うっすらと染まっていた白皙の頬が、見るまに赤く染まっていく。
彼の口角が、ひどく満足げにつり上がった。
「初めてか」
「わ、悪いか！あちょ、」
「……何だ、この手は」
「なんだじゃなくて！！何しれっとしようとしてん、」
「付き合ってやるよ。呼吸の練習」
「いらなっ、んん…！」
──彼らは、知らない。
翌日、青い鳥が『糸師冴』『熱愛』で炎上することを。
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しょうこ - 初めは凛君推しだったんですけど、作者様のおかげで糸師兄弟（特に冴君）がだいすきになりました！(≧▽≦)更新すごく楽しみににしてます！💘 (1月2日 19時) (
レス) @page49 id: 30a41155d7 (このIDを非表示/違反報告)
etoile(プロフ) - LEさん» わ、ありがとうございます…！地道に書いていきますので、良かったらまた覗きに来てやってくださいませ( *´艸`) (5月25日 14時) (レス) @page46 id: d6edebd72c (このIDを非表示/違反報告)
LE(プロフ) - 一気読みしました！めっちゃ好きですー！更新楽しみにしてます✧ (5月24日 0時) (レス) id: 26edab818d (このIDを非表示/違反報告)
etoile(プロフ) - 志希さん» 嬉しすぎるメセありがとうございます…！展開遅めの亀さんですが、良かったら今後ともお付き合いくださいませ( *´艸`) (5月22日 11時) (レス) id: 09c9e92c1d (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - もう大好きすぎて何回読み返したか分からないくらいの最高の作品をありがとうございます(⚲□⚲) (5月21日 21時) (レス) @page41 id: 42c973c817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：etoile | 作成日時：2023年5月4日 23時
