72話 ページ35
静かな部屋に時計の針の音が響く。
『征、さっきはごめん。
きっと征のことだから私が倒れたの全部自分の責任だって思ってるかもしれないけど、そうじゃないよ。
ちゃんと話してなかった私が悪いの。
ごめんね』
話終えても征は黙ったままこっちを見ている。
表情が変わらないから今の征の気持ちが読めない。
そう考えていると、征が口を開いた。
「僕の方こそごめん。
出会って間もない人にこんなことされたら誰だってそうなるよ。
これからも普通に接してくれるかい…？」
今度は征の眉毛が八の字になってこっちの様子を伺っているように見えた。
『勿論だよ！』
私は征に握手を求めた。
それを見て征はニコッと笑う。
「じゃあ、これからもよろしく」
『うん！』
征は私の手を握り返す。
征の温かい手はなんだか懐かしいような気がした。
「もう遅いし寝るか？」
『そうだね』
「あ…」
そう言って征は困った顔をした。
『どうしたの？』
「あ、いや。Aはベッドで寝てくれ。
僕はこっちのソファーで寝るよ」
征が困った顔をした原因はこれだ。
私は言い返す。
『いやいや！
征は部活があるんだしちゃんと休まなきゃ！』
「泊まりに来た人をソファーで寝かせて自分はベッドで寝るなんてできるわけないだろ！？」
『そんなのどうでもいいよ！』
どっちも譲らないので私達は目を合わせて笑う。
「一緒に寝るか？」
『それ、私も言おうとした』
そんなこんなで私達は部屋の電気は消し、ベッドに置いてある電気だけつけてベッドに入る。
「もう手は出さないよ」
征の方を見ると私の方を見て笑っていた。
『暴力なんてされてないよ？』
そう言うと征は数秒黙って今度は苦笑いをした。
「そういう意味じゃないんだけどな」
『？じゃあどういう意味？』
「Aは知らなくていい」
『何それー』
私はフンッと怒ったふりをして征に背を向ける。
そうするとポンと頭に手を置かれた。
征にこうされるの好きだな。
「じゃあおやすみ」
もうちょっと話してたかったな。
なんて思ったのは自分でも驚いた。
色んなことがあったけどお泊まり楽しかったな。
『…征…？起きてる？
今日ね、すごい楽しかったよ。
また泊まりに来ていいかな…？
あ、今度は私の家に来てね。
今日は本当にありがとう。
おやすみなさい』
そう言うと途端に眠くなり私は目を閉じて眠りについた。
「…僕も楽しかったよ。
また来てくれ。
……ありがとう。
おやすみ」
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Ai - 莉弥さん» ありがとうございます！！良き作品なんて…(ﾟﾛﾟ)更新頑張ります！ (2016年10月14日 7時) (
レス) id: 4b0ec96593 (このIDを非表示/違反報告)
莉弥(プロフ) - ﾊｧｯ…何て良き作品…(泣)
更新まってます！！ (2016年10月14日 1時) (携帯から) (レス) id: aa7d841247 (このIDを非表示/違反報告)
Ai - 明日香さん» コメントありがとうございます！！なるべく早く更新しますね！更新頑張ります！！ (2016年9月10日 21時) (レス) id: ca0ec5f260 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - とても面白かったです♪続きが気になります。更新頑張って下さい_(._.)_応援してます(^-^ゞ (2016年9月10日 19時) (レス) id: a56b4ade72 (このIDを非表示/違反報告)
Ai - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！！そんなこと思っていただけるなんて…すごく嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2016年9月1日 19時) (レス) id: f7794d9ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ai | 作成日時：2016年8月20日 13時
