4度目の人生､光と影の話｡【暗殺教室】【男主】

らしい ページ20

どうかな､と笑う羂索｡

どうかな､ちゃうわ｡そのセリフ言うてええんはこの世の中でマイメロちゃんだけやねんぞ｡


『…しゃーない､流石の俺でもオートの反転術式は抑え込まれへんわ』


俺みたいな天才でも無理やねん｡←

目隠しを取り去って影の中へ突っ込み､視界に入っていた前髪も掻き上げて退かした｡

"何らかの事情"なんてぼかしたとて､その後の説明に脳が焼き切れない為なんて言っては分かっていると言ったも同然｡

どうせ手の内がバレているなら今出せる全てで殺り合おう｡


「どこでその六眼をと聞きたいね」

『気付いたらあったもん俺に聞かれても知らんわ』

「ははは､君らしい」


黄身らしい??俺白身が好き｡はい絶交｡

て事でさっさと祓ってしまいたいところだが､生憎俺は直接的な攻撃手段となる術式は使えない｡必然的に"赫"や"蒼"､"茈"を使えない｡

出来るとしたら無限を張る､ぐらいか…

は??使えな(失礼)


『ていうか呪霊投げんの辞めてもろて』

「君とは言葉のキャッチボールが出来ないからね」

『寧ろ俺とドッチボール出来とるだけ誇れ』


スパスパ雑魚を切り刻みながら互いに互いを殺そうとし合う｡

名付けるなら"春のひととき(物騒)"やな｡

首に切りかかろうとして避けられて､手を変え品を変えて呪霊で息の根を止めにかかろうとされるのを回避する繰り返し｡

でも､ここの空間には確実に死があった｡


「!!」


最大限呪具から溢れる呪力を抑えて死角から心臓を狙って突き刺した短刀｡

直前で気付かれ急所は外されたものの､偶然当たった蹴り以外で狙って入れた攻撃が漸くここで初めて入った｡

血を吐く羂索｡

見た目夏油やからちょっと心が痛…まへんわ｡どう見ても羂索や｡


「呪具の扱いは呪術師界1｡侮れないね」


こちらも侮られては困るけど｡

ペラペラで裏のある笑顔を称えたかと思えば､今までより一層強い黒い呪力が俺達を覆うように伸び広がった｡

現れる禍々しい呪霊は特級相当…それも､特級の中でも上位の｡

ケタケタ笑って理解出来ない言語で俺に襲いかかるソイツに後ろの保護対象が叫んだ気がした｡

流石は特級｡

俺も腕を掴まれ､引き千切られ＿＿＿＿＿




視界が暗転､晴れる｡

けれどケタケタ笑っていた奴の笑いは消えていて､俺の腕はちゃんと着いていた｡

笑顔が失せた羂索(中身)の視線は俺｡



……の､後ろへ｡





『＿＿＿＿遅い』



腕を組んで､俺の後ろへそう言った｡

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