修羅の記憶�� ページ34
(土井side)
夜霧「お前は多くを失った。」
土井「ああ…失った…」
夜霧「此度もそうだ。お前は結局は一人になる定めなのだ。」
土井「違う。私は…」
？？「そう…人は儚く脆い存在。」
土井「Aさん…？」
タソガレドキ忍軍の忍装束に身を包んだAさん…
いいや…月華が現れた。
顔立ちが今よりも幼く…
事務員の小松田くんと同じくらいの年頃に見えた。
月華「みんなみんな、黄泉の国へ行く。」
夜霧「そして、脆いものだからこそ、人の命を奪うことも、また簡単なこと。」
月華「多くの命を黄泉へ送った人間が、明日を夢見ることなど」
夜霧「許されない。」
月華「そして、多くの裏切りを知る。これぞ戦国の世。」
土井「違う。人は皆平等に明日を… (月華)「平等であるならば何故お前は一人でもがき苦しんだ?」」
月華「親との記憶を封印した。自ら人の感情を葬った。」
夜霧「そしてお前と同じ境遇の!!!みなし子を増やした!!!」
土井「っ!!!」
夜霧「お前は奪われた命を忘れたか。」
月華「葬った命を忘れたか。」
夜霧「裏切りの記憶を忘れたか。」
二人「「修羅の記憶を忘れたか!!!」」
土井「やめて…」
夜霧「修羅に身を置いた者に！！」
月華「”幸”を求める資格はない！！！」
そうか…だからAさんを失ったんだ…私は…
土井「私に…幸を…求める資格はない…」
？？「違う!!!」
この声は…
？？「あなたは何のために生まれて来たの? 苦しみを乗り越えた先の幸せを得るためじゃないの?」
Aさん…？
『君は一人じゃない。だから安心して。そう私に言ってくれたのは、あなたでしょう?』
そうだ…私が言ったんだ…
『目を開けてくださいな。半助さん。』
そうか。こっちが夢なんだ。
ならば早く起きて、きり丸の朝ご飯を作ってやらなくちゃ。
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年10月30日 1時
