新野先生の娘は元軍医さん!？【捌】 (ページ25)

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秘密の場所② ページ25

(利吉side)

利吉「当然ですけど、中暗いですね。」
『手繋いであげようか？りっくんｗ』

ニヤリと笑う姉さん。

利吉「はあ!?私は子どもじゃないんですから!!大人ですっ!!」

『いやぁ懐かしいわｗ利吉は小さい頃、暗闇が怖くて、夜一人で厠へ行けれなかったのよねえｗ』

利吉「全く…いつの話をしているんですか(汗)」
『さてと、中に明かりを点けるわよ。』

そう言うと姉さんは、洞窟の壁に付いている蝋燭台に蝋燭を立て、火をつけた。

『ここには、火打ちできる石がゴロゴロあるから助かるわ!』
利吉「蝋燭台、姉さんが付けたんですか…」
『物を作るのは好きなのよ。』

私たちは、明かりを点けつつ、更に奥へ進んだ。
奥は迷路状になっている。これじゃ行きも帰りも、道は姉さんしか分からないなぁ…

『そこ、罠があるから気をつけて。弓矢がそこら中から飛んでくるわよ。』

利吉「分かりましたｗ」

罠もどうやらお手製らしい。
いくつかの罠をすり抜け…

『さあ、この蔵よ。明かりを点けるから待ってて。』
利吉「分かりました。」

ある場所へ行き着いた。
やがて明るくなり…

利吉「こ!?これは!?」

これは現実なのか？夢なのか?
そこには、信じられない光景が広がっていた…

『山賊に荒らされることも無く、守り切ることができたようね。』

利吉「姉さん…これは…」

『利吉、叔父上から聞いているかしら?学園一新計画のこと。』

利吉「はい。聞き及んでいますが…まさか!?」

『そう。忍術学園にそんな財源があるのか、不思議に思っていたでしょう？』

利吉「それは…思ってはおりましたが…」

『これが、その答え。』

そこには、金銀財宝が山のように眠っていた。

利吉「忍術学園の金庫?だけど…なぜ姉さんしか知らない場所に…？」

『ここは私の金庫。』

利吉「ええええっ!?」

どうやってこんなに？

『これは大陸にいたとき、皇帝や軍師から頂いた褒賞。月華の褒賞も混じっているけど、ほとんどが大陸から持ち帰ったものよ。いつか、人のために使いたいと思ってね、全て残していたの。やっと使い時が来たわ。必要な分を運ぶわよ。』

利吉「わ、分かりました。」

庶民が生きている間に、絶対に手にすることのないもの…
金の大判を掴む手が震える…

『軍医を目指す子どもたちのために、貢献できるなんて、ここまで嬉しいことはないわ。』